
客僧の言葉少き夜寒かな 寺田寅彦
客僧の用向きが気にかかる一句だ
用向きの内容はあまり喜ばしいものではなっそうだ
作者は口ごもるのを寒さと言っているがそうではあるまい
二人の間の微妙な沈黙さえも浮かんでくる
(小林たけし)
夜寒】 よさむ
晩秋の夜分寒さを覚えること。日中の暖かさとの較差が大きく、よけいに夜の寒さを感じる。朝寒よりも寒さの感覚は強く、じんわりと忍びこんで長く続く。
例句 作者
あはれ子の夜寒の床の引けばよる 中村汀女
一粒の薬さがせる夜寒かな 夏田風子
二人子よ夜寒の枕寄せねむり 古沢太穂
医療費の抑制試案夜寒かな 中島英子
夜の冷え遺稿の文字が声となる 川辺幸一
夜寒さや吹けば居すくむ油虫 富田木歩
夜寒なお文鎮光る武家屋敷 川上登喜子
夜寒の火揺るる網膜手術待つ 豊山千蔭
夜寒児や月になきつつ長尿り 竹下しづの女
あはれ子の夜寒の床の引けばよる 中村汀女
一粒の薬さがせる夜寒かな 夏田風子
二人子よ夜寒の枕寄せねむり 古沢太穂
医療費の抑制試案夜寒かな 中島英子
夜の冷え遺稿の文字が声となる 川辺幸一
夜寒さや吹けば居すくむ油虫 富田木歩
夜寒なお文鎮光る武家屋敷 川上登喜子
夜寒の火揺るる網膜手術待つ 豊山千蔭
夜寒児や月になきつつ長尿り 竹下しづの女