手足あることの暗さを衣被 塩野谷仁
難解句と思ったが
上中の12音をまず解けば納得する
人、それも己にひきつければ誰もが納得する
手足はなくてはならないものだが、時に邪魔であったり
間違いを起こしたりする
そして下5の季語は手足からあまりにも遠いところの存在だ
作者はおそらく「衣被」からの発想だろう
(小林たけし)
【衣被】 きぬかつぎ
里芋のこぶりなものを皮のまま塩味でゆでたもの。名月に欠かすことができない。主として関東の風習で、茶店に用意してある。
例句 作者
東京に何の負ひ目ぞ衣被 亀田蒼石
母の忌の一男六女衣被 伊藤保子
衣かつぎが好きで抜けない国訛 佐々木栄子
衣かつぎ盛られ小石の顔となる 高桑婦美子
衣被つるりと今日の終りかな 山口伸
衣被ほこほことある妻の膝 松本詩葉子
衣被我とおぼしき夜さりの老 武田伸一
衣被月には被きしままがよし 荻野千枝
衣被見栄捨ててより郷近し 小池溢
衣被飯田蝶子を知っている 髙橋悦子
車座のまん中にある衣被 奥山津々子
辻褄は合はせるものよ衣被 和田照海
限りなく長男は損衣被 中屋ゆずる
東京に何の負ひ目ぞ衣被 亀田蒼石
母の忌の一男六女衣被 伊藤保子
衣かつぎが好きで抜けない国訛 佐々木栄子
衣かつぎ盛られ小石の顔となる 高桑婦美子
衣被つるりと今日の終りかな 山口伸
衣被ほこほことある妻の膝 松本詩葉子
衣被我とおぼしき夜さりの老 武田伸一
衣被月には被きしままがよし 荻野千枝
衣被見栄捨ててより郷近し 小池溢
衣被飯田蝶子を知っている 髙橋悦子
車座のまん中にある衣被 奥山津々子
辻褄は合はせるものよ衣被 和田照海
限りなく長男は損衣被 中屋ゆずる