
そくばくの余命を惜しみ寒灸 西島麦南
余命をそくばくと憂いながらも惜しむとは
業を知る達人の生きざまだ
厳しい寒さの中の灸である
おかしいようで笑えない
(小林たけし)
【寒灸】 かんきゅう(・・キウ)
◇「寒灸」
漢方療治のひとつの灸は四季を通じて行われるが、極寒に行う「寒灸」と8月の炎暑の「土用灸」は殊に効くと言われる。
例句 作者
風の子や裸で逃げる寒の灸 一茶
方丈に子らを遊ばせ寒の灸 香川はじめ
寒灸や悪女の頸のにほはしき 飯田蛇笏
寒灸の効きくる膝をしかと抱く 渡辺青萠
文弱の身を自愛して寒灸 鮒田美智子
百会からたましいのぼる寒の灸 丹後日出雄
風の子や裸で逃げる寒の灸 一茶
方丈に子らを遊ばせ寒の灸 香川はじめ
寒灸や悪女の頸のにほはしき 飯田蛇笏
寒灸の効きくる膝をしかと抱く 渡辺青萠
文弱の身を自愛して寒灸 鮒田美智子
百会からたましいのぼる寒の灸 丹後日出雄