
海をまた忘れるために葱刻む 渡辺誠一郎
この海は海神の眠る悠久の海だろうか
人それぞれに海への思いはあるのだろうgは
作者の海は悲しい憎い恨めしい海なのだ
手元の葱を一心不乱に刻む
それでもその懐旧の憎悪は鮮やかのままだ
(小林たけし)
【葱】 ねぎ
◇「ひともじ」 ◇「深葱」(ふかねぎ) ◇「根深」(ねぶか) ◇「葉葱」 ◇「葱畑」 ◇「根深引く」 ◇「葱洗ふ」 ◇「冬葱」 ◇「青葱」
ネギの原産地は不明だが、中央アジア北部の野生種が中国西部で栽培化されたとされる。日本では古くから栽培されるが、香りに癖があるところからその好悪が分かれる。しかし、朝の味噌汁や葱ぬた、薬味などに欠かすことの出来ない冬の野菜の定番である。
例句 作者
折れてひかる葱の裸の夜明けです 山中葛子
昔から太陽はあり葱畑 桑原三郎
根深葱かざし一行詩の破片 瀧春樹
死にたしと言ひたりし手が葱刻む 加藤楸邨
泥葱の泥を比べて買いにけり 石川正幸
泥葱の白い部分にある煩悩 佐藤正賢
泥葱も階段上がつて来るなり 松林尚志
混沌の夕ぐれに浮く葱の白 三浦ミヨ子
火の国の葱の白根に落着きし 西野理郎
煮れば香る葱よりわが名疲れたり 横須賀洋子
父母未生以前青葱の夢のいろ 中村苑子
男の首絞めたり葱を作ったり 大畑等
折れてひかる葱の裸の夜明けです 山中葛子
昔から太陽はあり葱畑 桑原三郎
根深葱かざし一行詩の破片 瀧春樹
死にたしと言ひたりし手が葱刻む 加藤楸邨
泥葱の泥を比べて買いにけり 石川正幸
泥葱の白い部分にある煩悩 佐藤正賢
泥葱も階段上がつて来るなり 松林尚志
混沌の夕ぐれに浮く葱の白 三浦ミヨ子
火の国の葱の白根に落着きし 西野理郎
煮れば香る葱よりわが名疲れたり 横須賀洋子
父母未生以前青葱の夢のいろ 中村苑子
男の首絞めたり葱を作ったり 大畑等