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竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

海をまた忘れるために葱刻む 渡辺誠一郎

2021-01-28 | 今日の季語


海をまた忘れるために葱刻む 渡辺誠一郎

この海は海神の眠る悠久の海だろうか
人それぞれに海への思いはあるのだろうgは
作者の海は悲しい憎い恨めしい海なのだ
手元の葱を一心不乱に刻む
それでもその懐旧の憎悪は鮮やかのままだ
(小林たけし)


【葱】 ねぎ
◇「ひともじ」 ◇「深葱」(ふかねぎ) ◇「根深」(ねぶか) ◇「葉葱」 ◇「葱畑」 ◇「根深引く」 ◇「葱洗ふ」 ◇「冬葱」 ◇「青葱」
ネギの原産地は不明だが、中央アジア北部の野生種が中国西部で栽培化されたとされる。日本では古くから栽培されるが、香りに癖があるところからその好悪が分かれる。しかし、朝の味噌汁や葱ぬた、薬味などに欠かすことの出来ない冬の野菜の定番である。

 例句 作者

折れてひかる葱の裸の夜明けです 山中葛子
昔から太陽はあり葱畑 桑原三郎
根深葱かざし一行詩の破片 瀧春樹
死にたしと言ひたりし手が葱刻む 加藤楸邨
泥葱の泥を比べて買いにけり 石川正幸
泥葱の白い部分にある煩悩 佐藤正賢
泥葱も階段上がつて来るなり 松林尚志

混沌の夕ぐれに浮く葱の白 三浦ミヨ子
火の国の葱の白根に落着きし 西野理郎
煮れば香る葱よりわが名疲れたり 横須賀洋子
父母未生以前青葱の夢のいろ 中村苑子
男の首絞めたり葱を作ったり 大畑等