をちこちの薄暮寒気に洗はるる 松澤昭
暮れ合いの薄暮である
作者はきっと歩いているのだろう
冬の日暮れは早い
日暮れと共に肩をすぼめるように寒気がおそってくる
変わる街並、そのどこもが寒気に洗われて冷たい色に変わった
(小林たけし)
寒し】 さむし
◇「寒さ」 ◇「寒気」 ◇「寒冷」
漠然と、寒いこと、またその程度を言い、寒き朝、寒き夜などと用いられる感覚的な冬の季語。しかし、「寒」の字を付した熟語は秋・春にも多く、さらに転じて貧しさ、賤しさを現すこともある。用例には「寒さかな」を座五に据えたものが多い。
俳句 作者名
ある夜月に富士大形の寒さかな 飯田蛇笏
くれなゐの色を見てゐる寒さかな 細見綾子
てのひらに群盗伝の寒いかな 松澤昭
ひかり降る寒さへ犀の口ひらく 岡田一実
ふろしきのなかの近江の寒さかな 松澤昭
まのあたりみちくる汐の寒さかな 久保田万太郎
まのあたり地かげりゆく寒さかな 八木絵馬
ローソクの一本ふえし寒さかな 国兼よし子
三面鏡の一面鬼女となる寒さ ましお湖
ある夜月に富士大形の寒さかな 飯田蛇笏
くれなゐの色を見てゐる寒さかな 細見綾子
てのひらに群盗伝の寒いかな 松澤昭
ひかり降る寒さへ犀の口ひらく 岡田一実
ふろしきのなかの近江の寒さかな 松澤昭
まのあたりみちくる汐の寒さかな 久保田万太郎
まのあたり地かげりゆく寒さかな 八木絵馬
ローソクの一本ふえし寒さかな 国兼よし子
三面鏡の一面鬼女となる寒さ ましお湖