竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

をちこちの薄暮寒気に洗はるる 松澤昭

2021-01-18 | 今日の季語


をちこちの薄暮寒気に洗はるる 松澤昭

暮れ合いの薄暮である
作者はきっと歩いているのだろう
冬の日暮れは早い
日暮れと共に肩をすぼめるように寒気がおそってくる
変わる街並、そのどこもが寒気に洗われて冷たい色に変わった
(小林たけし)


寒し】 さむし
◇「寒さ」 ◇「寒気」 ◇「寒冷」
漠然と、寒いこと、またその程度を言い、寒き朝、寒き夜などと用いられる感覚的な冬の季語。しかし、「寒」の字を付した熟語は秋・春にも多く、さらに転じて貧しさ、賤しさを現すこともある。用例には「寒さかな」を座五に据えたものが多い。


俳句           作者名

ある夜月に富士大形の寒さかな 飯田蛇笏
くれなゐの色を見てゐる寒さかな 細見綾子
てのひらに群盗伝の寒いかな 松澤昭
ひかり降る寒さへ犀の口ひらく 岡田一実
ふろしきのなかの近江の寒さかな 松澤昭
まのあたりみちくる汐の寒さかな 久保田万太郎
まのあたり地かげりゆく寒さかな 八木絵馬
ローソクの一本ふえし寒さかな 国兼よし子
三面鏡の一面鬼女となる寒さ ましお湖
コメント