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かたまりてゆらゆらと来る彼岸婆 関洋子
彼岸会の寺に連れ立ってやってくる
年配の婦人たち
彼岸婆とは少々安易な呼び名だが
それとなく親しみおかしみがある季語である
とう遠くはない彼岸への挨拶をする心根かも知れない
(小林たけし)
【彼岸】 ひがん
◇「入り彼岸」 ◇「彼岸前」 ◇「彼岸過」 ◇「お中日」
春分・秋分を中日とした7日間。梵語の波羅の訳語。波羅とは、到彼岸の略で、生死流転に迷う此岸に対して、煩悩の流れを超えた悟りの境地を彼岸という。
例句 作者
かあちゃんよ今はどのへん春彼岸 五島治人
そこだけ明るいキツネの絵本彼岸過ぎ 吉岡純子
ひとつずつしがらみ消える彼岸明け 巽三千世
ジーンズの穴吹きぬける彼岸西風 金丸秀子
ビー玉の転がる板の間彼岸過ぎ 安部ひさし
人ごみに蝶の生まるる彼岸かな 永田耕衣
かあちゃんよ今はどのへん春彼岸 五島治人
そこだけ明るいキツネの絵本彼岸過ぎ 吉岡純子
ひとつずつしがらみ消える彼岸明け 巽三千世
ジーンズの穴吹きぬける彼岸西風 金丸秀子
ビー玉の転がる板の間彼岸過ぎ 安部ひさし
人ごみに蝶の生まるる彼岸かな 永田耕衣