竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

鳥一羽抱いて芽吹の木となれり 浦川聡子

2021-03-22 | 今日の季語


鳥一羽抱いて芽吹の木となれり 浦川聡子

春を感じさせる風邪にふと庭の木を見上げると
枯れ枝だったところの冬芽が大きく膨らんで
色づいて見える
よく見ると高い枝に名の知れない鳥が止まっている
こんな情景を作者は一句に切り取った
(小林たけし)


【木の芽】 このめ
◇「木の芽張る」 ◇「木の芽山」 ◇「木の芽雨」 ◇「木の芽風」 ◇「楓の芽」(かえでのめ) ◇「蔦の芽」(つたのめ)
春の木の芽の総称で、木によって遅速がある。楓の芽・桑の芽・蔦の芽など、一括して名木の芽という。きのめとも言うが、一般には山椒の芽をとくに「きのめ」という。

例句 作者

木の芽風燈台白をはためかす 桂 信子
あけぼのゝ白き雨ふる木の芽かな 日野草城
隠岐や今木の芽をかこむ怒涛かな 加藤楸邨
朴の芽を鳥科植物とも思ふ 能村研三
木の芽雨分娩室に赤ランプ 渡辺幸恵
木々の芽や男振りなる那覇の波 橋本栄治
鯉に引く山水ゆたか木の芽風 宗像夕野火
木の芽雨ひびきわたれり桶の中 飴山 實
ひた急ぐ犬に会ひけり木の芽道 中村草田男
みがかれて亀売られゆく木の芽雨 渡辺輝子