桃の花遅れぬために遅れてゆく 塩野谷仁
難解な句に出会うと勝手に分かったつもりになって鑑賞する
掲句も同様だ
一定の時間内に間に合えば用が足りる
その時間に遅れないように行く
早いものはもうとっくに咲いている桃花だが
その花に遅れることはどうでも良い
(小林たけし)
【桃の花】 もものはな
◇「白桃」 ◇「緋桃」(ひもも)
バラ科の落葉小高木。中国原産。4月頃、葉に先立って淡紅色または白色の五弁の、蘂が長く鄙びた愛らしい花を開く。桜や梅にくらべて花が大きい。果実は大形球形で美味。古くから日本に栽培、邪気を払う力があるとされた。雛祭には欠かせない花である。
例句 作者
桃の咲くそらみつ大和に入りにけり 川崎展宏
箸墓のぼんやり見えて桃の花 名田西の鴉
桃の花家半ばまで陽が入りて 森 澄雄
海女とても陸こそよけれ桃の花 高浜虚子
ふだん着でふだんの心桃の花 細見綾子
葛飾や桃の籬も水田べり 水原秋櫻子
ゆるぎなく妻は肥りぬ桃の下 石田波郷
百姓に今夜も桃の花盛り 永田耕衣
野に出れば人みなやさし桃の花 高野素十
桃咲いて隣りに赤子生まれさう 山本洋子
桃の咲くそらみつ大和に入りにけり 川崎展宏
箸墓のぼんやり見えて桃の花 名田西の鴉
桃の花家半ばまで陽が入りて 森 澄雄
海女とても陸こそよけれ桃の花 高浜虚子
ふだん着でふだんの心桃の花 細見綾子
葛飾や桃の籬も水田べり 水原秋櫻子
ゆるぎなく妻は肥りぬ桃の下 石田波郷
百姓に今夜も桃の花盛り 永田耕衣
野に出れば人みなやさし桃の花 高野素十
桃咲いて隣りに赤子生まれさう 山本洋子