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壺焼きの煮ゆるは海の滾つ音 尾崎青磁
<滾つ>がこの句の手柄だろう
海の滾つ音
いわれてみればなるほどと頷かざるを得ない
俳句の措辞は早く発見したもの勝ちとも言われる
この措辞はこの句以後どの俳人もタブーとなる
(小林たけし)
【壺焼】 つぼやき
◇「栄螺の壺焼」(さざえのつぼやき) ◇「焼栄螺」
栄螺を殻のまま火の上であぶり焼き、醤油などで味を付けた料理。また、前もって身を取り出し、刻んで銀杏・三つ葉などと共に殻に入れて焼いたもの。
例句 作者
壷焼の壷傾きて火の崩れ 鳴雪
壷焼を待てる間海の色変り 森田 峠
壷焼の煮ゆるに角も炎立つ 皆吉爽雨
壷焼や止むけしきなき雨の中 日美清史
壺焼や瑠璃を湛へし忘れ潮 水原秋櫻子
つぼやきやいの一番の隅の客 石田波郷
壷焼の壷傾きて火の崩れ 鳴雪
壷焼を待てる間海の色変り 森田 峠
壷焼の煮ゆるに角も炎立つ 皆吉爽雨
壷焼や止むけしきなき雨の中 日美清史
壺焼や瑠璃を湛へし忘れ潮 水原秋櫻子
つぼやきやいの一番の隅の客 石田波郷