竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

誰か来て鏡割りゆく八十八夜 塩野谷仁

2021-05-01 | 今日の季語


誰か来て鏡割りゆく八十八夜 塩野谷仁

2,006年海程9月号にて金子兜太の秀句選で下記の兜太の選評がある
現代俳句協会賞の中の一句でもある
難解句だが読者の鑑賞力を試されているような気がしてきた
(小林たけし)



夏も近づく八十八夜。誰か来て鏡割りゆく八十八夜。八十八夜の頃の季節感と、誰かが来て鏡割りゆくという心理的なものがどこかで響くような気がするのであるが、はっきりとは掴めない。

【八十八夜】 はちじゅうはちや(・・ジフ・・)
立春から数えて88日目にあたる。陽暦5月2、3日になる。播種の適期とされ、茶どころでは茶摘みの最盛期となる。農家はこの頃をめどに忙しくなる。この日以後は霜がないといわれ、気候的にも、この頃を境として安定してくる。

例句 作者

地下足袋が八十八夜を通りけり 村瀬誠道
山国の八十八夜の寝息かな 森下草城子
村立句会みんな八十八夜の手 中島偉夫
母老いて八十八夜静かなる 岡崎正宏
現役を豪語してをり八十八夜 佐藤文子
逢ひにゆく八十八夜の雨の坂 藤田湘子
雨が死に触れて八十八夜かな 曾根毅