俳句 作者名
ことしより堅気のセルを着たりけり 久保田万太郎
万太郎ならではの句といえようか
洒脱ないきざまを隠さないところが良い
昨年までは何者だったのだろう
読者を楽しませる技が見事だ
(小林たけし)
梳毛(そもう)糸使いの単衣着尺などの毛織物、または梳毛糸と人絹・絹糸・綿糸との交織で、肌触りが柔らかで薄く、初夏に着用するセル地で作った単衣のことをいう。
例句 作者
セルを着て小さん贔屓の父なりき 石嶌 岳
セルを着て手足さみしき一日かな 大野林火
セル軽く荷風の六区歩きけり 加藤三七子
セルを着て遊びにゆくや東京へ 松本たかし
セルを着て遺書は一行にて足りる 寺田京子
童話書くセルの父をばよぢのぼる 中村草田男
赤んぼの五指がつかみしセルの肩 中村草田男
セルを着て小さん贔屓の父なりき 石嶌 岳
セルを着て手足さみしき一日かな 大野林火
セル軽く荷風の六区歩きけり 加藤三七子
セルを着て遊びにゆくや東京へ 松本たかし
セルを着て遺書は一行にて足りる 寺田京子
童話書くセルの父をばよぢのぼる 中村草田男
赤んぼの五指がつかみしセルの肩 中村草田男