ひきがへるにも喉仏ありさうな 石倉夏生
蛙の泣き声を聴いての作品ではなさそうだ
当然泣き声の記憶は鮮明なのだが
掲句は蟇蛙の写生からの発想だろうと思う
喉仏をふるわす蟇蛙に親しみを感じたのに相違ない
(小林たけし)
【蟇】 ひきがえる(・・ガヘル)
◇「蟾蜍」(ひきがえる) ◇「蟇」(ひき) ◇「蟾蜍」(ひき) ◇「蝦蟇」(がま) ◇「がまがえる」 ◇「いぼがえる」
太く短い四肢をもつヒキガエル科の最大型の蛙。黒褐色の背面に沢山の疣をもち、のっそりと重たげに歩く姿はグロテスクともいえる。昼は草むらや床下などの暗いところに潜んでいるが、夕方になるとゆっくり這い出してきて蚊などの小さな虫を捕らえて食べる。「がまがえる」の異名。
例句 作者
ひきがへる眠り薬がまだ効かぬ 山田征司
ひとごろしのような空だな蟇 守谷茂泰
みちのくの海の明かりを思う蟇 川辺幸一
やさしいって大変なこと蟇 田中いすず
わがままな文豪のごと蟇 大牧広
ソムリエのエプロン長し蟾蜍 栗林浩
ヒキガヘルつるり腑に落つささめごと 阿川木偶人
リア王の蟇のどんでん返しかな 平井照敏
伊勢みちの途中鳴きたる蟇 桂信子
ひきがへる眠り薬がまだ効かぬ 山田征司
ひとごろしのような空だな蟇 守谷茂泰
みちのくの海の明かりを思う蟇 川辺幸一
やさしいって大変なこと蟇 田中いすず
わがままな文豪のごと蟇 大牧広
ソムリエのエプロン長し蟾蜍 栗林浩
ヒキガヘルつるり腑に落つささめごと 阿川木偶人
リア王の蟇のどんでん返しかな 平井照敏
伊勢みちの途中鳴きたる蟇 桂信子