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水際や青田に風の見えて行く 井上井月
稲の成長はなんとも早い
あれほどの田水が一面の青稲で見えなくなってくる
水際に寄れば田水に風のそよぎが静かに揺れている
作者はそれを<風の見えて行く>との措辞で表現した
(小林たけし)
【青田】 あおた(アヲタ)
◇「青田面」(あおたも) ◇「青田風」 ◇「青田波」 ◇「青田道」
苗を植えてまもない田を「植田」というのに対して稲が生育して一面青々とした田を「青田」という。植田が青一色になる頃は土用の日差しも強く、青田を吹き行く風(「青田風」)になびく稲は波のように揺れ(「青田波」)、見るからに爽快である。《植田:夏》
例句 作者
源流の青田ひろがるわが視角 齊藤美規
潮ぐもり青田ぐもりにつづきけり 桂信子
点晴の青田の鷺も出羽の国 朝広純子
畦の影たしかなりけり大青田 前田典子
福耳がひたすら青田刈つてゐる 泉風信子
竹藪にはさまれている青田かな 杉浦圭祐
耶蘇ならず青田の海を踏み来るは 西東三鬼
裏山のごろりとありぬ大青田 伊藤政美
西施せつせつ髮洗うよう青田波 白川温子
観音の里は青田に靜まれり 石田彰
越(こし)遥かひと世の青田すわりたる 森田緑郎
源流の青田ひろがるわが視角 齊藤美規
潮ぐもり青田ぐもりにつづきけり 桂信子
点晴の青田の鷺も出羽の国 朝広純子
畦の影たしかなりけり大青田 前田典子
福耳がひたすら青田刈つてゐる 泉風信子
竹藪にはさまれている青田かな 杉浦圭祐
耶蘇ならず青田の海を踏み来るは 西東三鬼
裏山のごろりとありぬ大青田 伊藤政美
西施せつせつ髮洗うよう青田波 白川温子
観音の里は青田に靜まれり 石田彰
越(こし)遥かひと世の青田すわりたる 森田緑郎