竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

いくたびも天に告げ口揚雲雀 たけし

2020-04-15 | 入選句


いくたびも天に告げ口揚雲雀 たけし

2018/5/23 朝日新聞 栃木俳壇にて石倉夏生先生の選をいただいた
2階の窓からは遠く那須の山脈、男体山が臨まれる
道路を隔てた我家の前は田起こしを済ませた農地が広がっている
そして空は真っ青、雲雀が鳴いている
天に上ってはまた昇る
まるで何かを訴えているようだ
ひょっとしたら知りえた真実を告げているのかもしれない


【雲雀】 ひばり
◇「揚雲雀」(あげひばり) ◇「落雲雀」 ◇「初雲雀」 ◇「朝雲雀」 ◇「夕雲雀」 ◇「雲雀籠」 ◇「叫天子」(きょうてんし)
ヒバリ科の小鳥。春の野に最も親しまれている鳥。雀よりやや大きく、背面は黄褐色の地に黒褐色の斑がある。腹部は白い。日本各地の畑地・草原などに巣をつくり、空中高くのぼってさえずる。初雲雀。揚雲雀。落雲雀。夕雲雀。雲雀野。

例句  作者

乾きては草に沈むやゆふひばり 千代女
雲雀野に古墳乳房のごと並ぶ 宗像夕野火
巻向の野にゐて雨の揚雲雀 藤田あけ烏
くもることわすれし空のひばりかな 久保田万太郎
わが背丈以上は空や初雲雀 中村草田男
雲雀落ち天に金粉残りけり 平井照敏
雲雀より空にやすらふ峠かな 芭蕉
円墳の天より落つる雲雀かな 岩田一止
日輪にきえ入りてなくひばりかな 飯田蛇笏
雲雀野やこゝに広がる多摩河原 高浜虚子

川べりのおでんの屋台Wi-Fi可 たけし

2020-04-14 | 入選句



川べりのおでんの屋台Wi-Fi可 たけし



第27回右城墓石顕彰吉野川全国俳句大会に投句した掲句が

夏井いつき先生の選を得て入選した

選評もいただいた



新聞投句を控えて、俳句大会への投稿を心掛けようとの

今年の想いだったが

ひとつの結果がでたのが嬉しい

たんぽぽの絮が飛び立つ“ここはいや” 水口圭子

2020-04-13 | 今日の季語


たんぽぽの絮が飛び立つ“ここはいや” 水口圭子

蒲公英の絮が飛び立つのは蒲公英の意思なのだと
種の定めではなく
蒲公英のひとつひとつに意思感情があるという
「ここはいや」このはっきりとした口語の強さ
蒲公英は作者そのもののように思えてくる
(小林たけし)


【蒲公英】 たんぽぽ
◇「鼓草」(つづみぐさ) ◇「藤菜」(ふじな) ◇「蒲公英の絮」(たんぽぽのわた)
キク科多年草の総称。全世界に広く分布。日本には関西たんぽぽ・蝦夷たんぽぽ・白花たんぽぽ、また帰化植物の西洋たんぽぽなど10種以上あり、普通には関東たんぽぽをいう。3、4月頃、中心から10センチ程の花茎を出し、頂きに黄色い頭状花をつける。実は褐色で、冠毛は白色、風によって四散する。鼓草。

例句 作者

あたたかくたんぽぽの花茎の上 長谷川素逝
あの辻の道祖神にもたんぽぽを置こう 風岡俊子
いもうとや墓標の蒲公英黄をつくす 松本光子(水明)
じきに行く鬼籍たんぽぽの種持って 山本冴子
たんぽぽたんぽぽ砂浜に春が目を開く 荻原井泉水
たんぽぽと小声で言ひてみて一人 星野立子
たんぽぽにとおく黒人兵の野球 吉田耕史
たんぽぽに埋れ男の喉仏 佐藤眞隆
たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ 坪内稔典
たんぽぽの乳拭く何か拭き足らぬ 高木一惠


おぼろ夜の鬼ともなれずやぶれ壺 加藤楸邨

2020-04-12 | 今日の季語


おぼろ夜の鬼ともなれずやぶれ壺 加藤楸邨

「やぶれ壺」が分からないとどうのも困る
私は由来も時代考察も不明の古壺として鑑賞した
そこはかとない物憂い春の宵
部屋の隅(床の間でもよい)にこの壺がある
何か言いたげに思えてきた
この壺は骨壺だったのかもしれない
まだ往生していないのだ
(小林たけし)



【朧】 おぼろ
◇「朧夜」(おぼろよ) ◇「草朧」 ◇「鐘朧」 ◇「影朧」 ◇「家朧」 ◇「谷朧」 ◇「橋朧」 ◇「庭朧」 ◇「灯朧」(ひおぼろ) ◇「朧めく」
春は大気中に水分が多いので、物の姿が朦朧とかすんで見える。朧は霞の夜の現象である。ほのかなさま。薄く曇るさま。

例句 作者

おぼろ夜のかたまりとしてものおもふ 加藤楸邨
おぼろ夜の潮騒つくるものぞこれ 水原秋櫻子
おぼろ夜の霊のごとくに薄着して 能村登四郎

おぼろ夜や旅先ではく男下駄 あざ蓉子
朧夜のどの椅子からも子が消える 松下けん
朧夜のむんずと高む翌檜 飯田龍太
朧夜の船団北を指して消ゆ 飯田龍太
朧夜や久女を読みて目を病みぬ 久保田慶子

面影走る仏間明りの春障子 森本あやの

2020-04-11 | 今日の季語


面影走る仏間明りの春障子 森本あやの

面影映る ではなく
面影走る ここが肝だろう
仏間の灯に障子に映ったような面影
気のせうだったのだろう
仏になって間の浅い故人はまだまだ近くにいるのだ
(小林たけし)


【春障子】 はるしょうじ(・・シヤウジ)
日本古来の住居に欠かすことができない障子。春、差し込んでくる日差しに明るさが増し、夕方の日差しも伸びるようになる。

例句 作者

妻の客ばかり来る日や春障子 皆川盤水
灯を消せば船が過ぎをり春障子 加藤楸邨
春障子閉ぢたる前に禰宜の沓 遠藤梧逸
いつの間に樟の影置く春障子 川崎展宏
激流へ切貼多き春障子 岡本 眸

梅真白どこでもドアの頭陀袋 たけし

2020-04-10 | 入選句


梅真白どこでもドアの頭陀袋 たけし

2020.4.10 朝日新聞 栃木俳壇にて石倉夏生先生の選をいただきました
原句は中七が「ドコデモドア」とカタカナでしたが添削をいただきました

言葉の発生の源泉を大切にすることを教わりました
一部を変えると原語の意味が消失するのだと理解しました
また原作者への礼を失することにもなります

頭陀袋が万能だという句意をドラエモンに説明して頂き
梅見のおどる心を詠んだ句です

蓬餅橋はさびしきものと思え 塩野谷仁

2020-04-09 | 今日の季語


蓬餅橋はさびしきものと思え 塩野谷仁

蓬餅は草餅の源流だ
橋はさびしきものと思え
この強い言いようは作者が作者に吠えているようだ
さびしい作者が己に無理に納得させているように聞こえてくる
取り合わせの「蓬餅」
こちらは家庭や肉親の温かみに溢れている
作者はいよいよ淋しさを強いられていて悲しい
(小林たけし)


草餅】 くさもち
◇「草の餅」 ◇「蓬餅」
蓬の蒸した葉を入れて搗いた餅。これで餡を包んだのが蓬餅。昔は蓬の代りに母子草を用いた。


うかうかと祖父になりたる草の餅 加治幸福
さえずりそうな草餅をもらいけり 山崎佳子
まだ生きており草餅の草の声 森田緑郎
切り株に人のぬくもり蓬餅 藤生理可
土間移る夕日の重さ蓬餅 桂信子
山彦の山を降り来よ蓬餅 吉田鴻司
帝釈天参道に買ふ草の餅 中山喜代
後退りしつつ両手に蓬餅 野村洋子
狂わずに男盛りを蓬餅 竹本健司
草餅のひし形かわき羅針盤 井塚紫香
草餅やひとさしゆびはそびえけり 八田木枯
草餅を食べて乳房の柔らかし 中原えつ美
蓬餅むかし美人の赤襷 松井太乙
蓬餅もらう段取り少し摘み 海藏由喜子
雨はじく傘過ぎゆけり草餅屋 桂信子



ぬかづけばわれも善女や仏生会 杉田久女

2020-04-08 | 今日の季語


ぬかづけばわれも善女や仏生会 杉田久女

釈迦は慈悲と博愛に満ちている
求めるものには与え
悔いるものには救い
改めるものには許す

近くにぬかづく者は全て釈迦の弟子である
ぬかづくだけで自分の心が洗われる
そんな気がする
これも既に釈迦の功徳の表れだ

作者は救われている

(小林たけし)



【仏生会】 ぶっしょうえ(ブツシヤウヱ)
◇「灌仏会」(かんぶつえ) ◇「誕生会」(たんじょうえ) ◇「浴仏会」(よくぶつえ)

4月8日(地方によっては5月8日)に釈尊の降誕を祝福して行う法会。花御堂を作り、水盤に誕生仏の像を安置し、参詣者は小柄杓で甘茶を釈尊像の頭上にそそぐ。灌仏会・降誕会・浴仏会・竜華会などとも言い、花御堂は摩耶夫人が無憂樹の下で釈迦を生んだという伝説の藍毘尼林に型取ったもの。灌仏会。

例句 作者

みづうみのこまかきひかり仏生会 鷲谷七菜子
藪に日のしばらくかかり灌仏会 永方裕子
大雨の降りかくす嵯峨や仏生会 渡辺水巴
どしや降りに落花ただよふ仏生会 大野林火
仏生会くぬぎは花を懸けつらね 石田波郷
白猫の松を降りくる灌仏会 星野恒彦
仏母たりとも女人は悲し灌仏会 橋本多佳子

みんな夢拾って捨てる桜貝 鷲田環

2020-04-07 | 今日の季語


みんな夢拾って捨てる桜貝 鷲田環

来し方に捨てたたくさんの夢
涙して捨てた夢
新しい夢の誘惑
その夢を追いかけるのも人生か
捨てても湧き上がる夢への渇望
「さくら貝」拾いはするがいずれは捨てる
(小林たけし)


【桜貝】 さくらがい(・・ガヒ)
◇「花貝」 ◇「紅貝」
ニッコウガイ科の二枚貝。貝殻は薄くやや長方形、淡紅色で美しく、殻長約3センチ。日本各地の内湾に産し、貝細工などに使われる。古くより和歌に詠まれて、詩歌と馴染みの深い貝である。貝類は春を産卵とするものが多く、そのときが美味なので春の季題となっているが、桜貝の場合は食用でなく、色彩が桜の花の色をしていて、春らしいので、昔から春の季に定められた。


さくら貝ひと粒海を負うかたち 五島瑛巳
ひく波の跡美しや桜貝 松本たかし
ポケットに片道切符と桜貝 山本節子(水明・天街)
引出しの中にも渚桜貝 小檜山繁子
桜貝たましい渇き透き通る 藤原泰
桜貝大和島根のあるかぎり 川崎展宏
桜貝引潮のこゑ遠きかな ひろがきくに枝
桜貝拾ふからだのメロディに 柏柳明子
桜貝拾ふ体のやはらかき 中田尚子

余生という重しをつけて花筏 川崎益太郎

2020-04-06 | 今日の季語


余生という重しをつけて花筏 川崎益太郎

さくら時の喧騒も一瞬で
枝には早きも葉の芽が見える
川面には花の塵が夥しい
花筏とはよくも言ったものだ
作者はじっと長い時間 その筏えお眺めている
老いた我が身の余生を
水面の流れにつっくりと任せている花の塵に準えている
そのあまりにも緩い流れは重しを曳いているようだ
(小林たけし)

【落花】 らっか(ラククワ)
◇「花散る」 ◇「散る花」 ◇「散る桜」 ◇「花吹雪」 ◇「桜吹雪」 ◇「飛花」(ひか) ◇「花屑」 ◇「花の塵」 ◇「花筏」
桜花が散り落ちること。桜は散り際が美しい。桜の咲く頃はとかく強い季節風の吹くことが多く、咲き誇った花も一陣の風に潔く散る。昔から桜は散り際を賞美されることが多かった。


例句 作者

ビルの影映れる上の花筏 岡田初音
人生は急がぬことよ 花筏 池康彦
大観の生々流転花筏 上野草魚子
満潮の河口に解きし花筏 千葉幸江
花筏これより先は神田川 米田真琴
花筏そこから先の未来都市 松下總一郎
花筏やぶつて鳰の顔のぞく 飴山實
花筏よろめきあひて水の旅 伊藤和子
花筏行きとどまりて夕日溜む 宮津昭彦

かごめかごめあの子も消える春霞 波多野寿子

2020-04-05 | 今日の季語


かごめかごめあの子も消える春霞 波多野寿子

春のうららかな日溜まりに作者はいる
幼子がかごめかごめの懐かしい歌をうたっている
「後ろの正面だーれ」
作者はいつかタイムトンネルに入っている
心象に逝きたる友が蘇っている
霞は結果委を超えてただよう
(小林たけし)


【霞】 かすみ
◇「春霞」 ◇「遠霞」(とおがすみ) ◇「薄霞」 ◇「朝霞」 ◇「昼霞」 ◇「夕霞」 ◇「横霞」 ◇「草霞む」 ◇「霞棚引く」 ◇「霞立つ」 ◇「霞の海」 ◇「霞の帯」
春になると水蒸気が立ちこめ、空がぼんやりして遠方がかすんで見える現象を言う。春のを霞、秋のを霧という。霧は目の前に深く立ちこめるが、霞は遠く微かなもの、ほのかなやさしい感じのものである。


例句 作者

かごめかごめあの子も消える春霞 波多野寿子
われは恋ひきみは晩霞を告げわたる 渡辺白泉
カササギに出逢うふるさと春霞 鳥越やすえ
サーカスは母と行くもの遠霞 松本勇二
マラソンの過ぎて霞の土手残る 岩田みち子
一本の杖の行手に夕霞 桂信子
下駄箱の中が霞に満ちている 福本弘明
二階より下りきて霞む方へゆく 西野理郎
人の死も今は遠くに海霞む 桂信子
仏頭を見すぎ霞をぬけられぬ 岩下四十雀

清明や街道の松高く立つ 桂信子

2020-04-04 | 今日の季語


清明や街道の松高く立つ 桂信子

この季語は春そのものを一言で表現する
春の中の春 とも言えようか
掲句をそうした面持ちで味合えばもう言葉は不要だ
春の空、春の風邪、春の音、春の温もり、春の気分
全てを感じさせてゆるぎない
(小林たけし)


清明】 せいめい
◇「清明節」
二十四節気の一。陰暦3月の節、春分後15日め。陽暦で4月5日ごろ。清浄明潔の略ともいわれ、東南風の吹く春のよい季節という意味。

例句 作者

清明の無傷の空を眩しめり 二村秀水
清明や仏をまつる山見ゆる 石原君代
清明や余生余命の計られず 早川翠楓
清明や内親王の夢弾み 髙山典子
清明や草に投げ出す旅鞄 三木基史
藁しべに吸はれ清明節の雨 恩田侑布子

沖に降る小雨に入るや春の雁 黒柳召波

2020-04-03 | 今日の季語


沖に降る小雨に入るや春の雁 黒柳召波

季語、春の雁の本意からすると掲句の雁は母恋う姿だろうか
この小雨は春の雨とも違って寂しい雨を呈している
小雨に入るや 「残る雁」の生末の悲劇も予感させる
(小林たけし)


井本農一・尾形仂編『近世四季の秀句』(角川書店)の「春雨」の項で、国文学者の日野龍夫がいきなり「春雨は、すっかり情趣が固定してしまって、陳腐とはいうもおろかな季語である」と書いている。「月様、雨が。春雨じゃ、濡れてゆこう。駕篭でゆくのはお吉じゃないか、下田みなとの春の雨」では、なるほど現代的情趣の入り込む余地はない。そこへいくと近世の俳人たちは「いとも素直に春雨の風情を享受した」ので、情緒纏綿(てんめん)たる名句を数多く残したと日野は書き、この句が召波の先生であった蕪村の「春雨や小磯の小貝ぬるるほど」などとともに、例証としてあげられている。蕪村の句も見事なものだが、召波句も絵のように美しい。同時代の人ならばうっとりと、この情景に心をゆだねることができただろう。しかし、こののびやかさはやはり日野の言うように、残念ながら現代のものではない。だから、この句を私たちが味わうためには、どこかで無理に自分の感性を殺してかからねばならぬ、とも言える。これはいつの時代にも付帯する後世の人間の悪条件ではあるが、その「悪」の比重が極端に加重されてきたのが「現代」である。(清水哲男)


春の雁/晩春/残る雁

春に見る雁であり、病気やけが等で群からはずれ、仲間が北方へ
帰った後も残っている雁をもいう。

くらくらと日の燃え落ちし春の雁 藤田湘子
天心にして脇見せり春の雁 永田耕衣
春の雁手控に紅にじみたる 沼尻巳津子
胸過ぎる人皆遠し春の雁 清水八重子
貧交の誰彼とほし春の雁 上田五千石

冴返る湖東の雲が鬼の面 星野光二

2020-04-02 | 今日の季語


冴返る湖東の雲が鬼の面 星野光二


情景は明瞭だ
どの読者にも似たような記憶が脳裏に刻まれている
共鳴する句材
、その斡旋をどのような措辞で表現するかが技なのだと知らされる
雲が「鬼の面」に見える おにのつら と読みたい
一気に読み落とせるリズムも秀逸
こんな句を詠みたいものだ
(小林たけし)


【冴返る】 さえかえる(・・カヘル)
◇「凍返る」(いてかえる) ◇「しみ返る」 ◇「寒返る」 ◇「寒戻る」 ◇「寒戻り」
余寒がきびしいさま。春になって、いったんゆるんだ寒気が、寒波の影響でまたぶりかえすこと。

例句 作者

あざけりを浴びるごと昼冴返る 成田千空
三月十日デジタル画面冴返る 糸山謙治
冴えかへるもののひとつに夜の鼻 加藤楸邨
冴え返る古刹に残る手斧あと 原口英二
冴え返る彫像あまねく裸婦多き 澤田吐詩男
冴え返る浚えたはずの悲しみが 宮里晄
冴え返る眦よ棕櫚のそよぐよ 大上恒子
冴え返る葬祭場のセールスマン 上松泰
冴え返る運河の町の石だたみ 村上容子
冴返りだまされる人だます人 渡辺正芳
冴返るとは取り落とすものの音 石田勝彦
冴返る一刀彫の鷹の爪 石井香
冴返る墓淡路女の恒(つね)端座 文挾夫佐恵
冴返る立ち止まれない時もある 村上洋子