武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

三つの搭(色鉛筆作品紹介651)と クリスマスの思い出

2021-12-25 11:52:25 | Weblog

ピンクは夕焼け

武内の中では、「夕暮れ」というタイトルが付いたものは

大抵ピンクの色で染まっています。

これも夕暮れの絵かもしれません。

塔のような建物から、

狼煙(のろし)のように煙りが出ています。

積み木が積み上げられたような搭は、

とても可愛く感じられます。

ただ、この塗り込められた色鉛筆の画面から

浮かびあがる亀裂のような風合いがなんとも不思議。

特に茶色の部分では、それがよくわかる。

この亀裂の効果なのか、古典的な風合いになっている。

この皺の効果は、紙を独特なしごき方で、

よれさしているのです。

私が、理解しがたい行為の1つ、

私の世界の七大不思議に入るのですが・・・。

当人は、紙を触ったらどんな紙もすぐしごいてなめしてしまうようで、

「それの紙は、しごかないでいいのとちがうの!」と、注意します。

手が勝手に動いてしまうらしい。

 

今日はクリスマス。

クリスマスの仕事はすっかり干されてしまっているヒロクニ画伯。

クリスマスにまったく興味がないヒロクニさんなので、

我家は、師走、正月に向けて突進しています。

しかし、子供達にとっては、クリスマスツリーもプレゼントも楽しいもの。

子供の絵画教室をしていた頃は、クリスマスのオーナメントをモチーフにしての油絵や、

休憩時間のおやつをいつもと違うものを用意すると、

“いつもと違う”というだけで、「ワーイ!」という声が上がったものだ。

素直で可愛く思いました。

時々、ませた年長の子が「サンタさんは、僕達のお父さん、お母さんなんだよ」と言い、

幼い子が、目を丸くして固まっていたりする事態に遭遇したり。

思わず、「サンタさんは、いますよ」とその子の目を見て、

うなずきながら大丈夫と目で合図したことが思い出されます。

私も子供の頃、母から「サンタさんが夜来るから、明日の朝、プレゼントがあるかも?」と言って

楽しみに寝た記憶があります。

朝起きると長い靴下に角張ったものが入れられていて、その靴下が赤くもなく普通の靴下で・・・。

靴下の形が変形して、随分無理に伸にのびていた。

もう、入れるのに必死な感じがあって、

妹と「どうしてこんな靴下をサンタさんは選んだのだろう?」とか

「これ入れるのサンタさん大変だったのじゃない?」と話していました。

その日は、小さな庭には、雪だるまも作ってあった。

その雪だるまは、マトリョーシカのような形で汚れた部分がなく、

すべらかな曲線で、目も口もボタンもすべてマジックで描かれていて、

とても可愛い顔をしていました。

繊細な感じのする雪だるまでした。

こういうクリスマスは一回だけで、二度はなかった。

こういったらナンだけど、このクリスマスで父はすべてを使い果たしたのだと、

大人になってから分る。

当時、張り切ったのでしょう。かなり。

しかし、マジックで雪に目とか描けるのだろうか?

だけど、描かれていたのですよ。

こんな思い出を思い出すと、子供にはクリスマスは、とても素敵なものだと思います。

いいクリスマスを送られますように!

ピンク色は、クリスマスに合うかなと思い、今日の絵を取り上げました。

我家には、クリスマス感覚は今ないので、何とかクリスマスに合う絵を探してみました。

 

現実に戻ります。

夕方、ヒロクニさんに「文章って読むのは楽だけど、書くのはたいへんだねぇ~」と私。

今は、長編小説、かのファンタジーの金字塔『指輪物語』を読書中。

ちょっと間をおいてから、「確かにそうだ」とヒロクニさんが真顔で言った。

「俺、最初小説家になろうと思ったけど、それ、そうはいかなくてねぇ」と。

ふ~ん、と私。

「でも、書いてみたことはあるの?」と聞く。

どうもあるらしい・・・。

それで、「どんなストーリーだったの?」と。

「いや、それはアプリオリ的な発想で・・・」と。

「その、アプリオとかは何よ。さっぱり分らない。ストーリーを聞いているのォ!」と。

「アプリオリも知らないでそんな事聞くの?」と返事されても分らないので、

「そう、聞く」と強気に出た。

聞くと「心中する話」というではないか。

もう、聞いただけで男女の心中する話なんだろうと察しが付く。

もう、長年いると思考が読み取れる時もある。

かつての恋人の話を何回も話されているから、どうせそれに近い内容と洞察した。

ひつこく問い詰めると、

「歩いていた建物の描写から始めてみて、夙川の海へ出る道をよく知っているから」

「いや、中学生の頃、○○、俺と一緒に歩こうと女性に言ってみたら、

ハイってついてきてくれて、ただ行って、○○帰ろうということがあって、

それをモデルに書き始めたのだけど、うまくいかなくてねぇ~」と。

それを言った後、

「元々、私にはジェンダーはあったんだ」と言ったかと思うと、

「男ってのは、挑んでいくもので、女はいかないものでしょ」とか、

「女はヒステリーだ」と、話が分けがわからない方へ進んでいく。

(あなたは人に忍耐を強いる存在で、ヒステリーを起させる源なんだから、

周りの女性は皆、ヒスを起すのは当然の事なんじゃない?と内心思う。)

また「推理作家にもなりたかった」とも。

そうして、ミステリーの話を延々するのでした。

翌日になって、憑き物が落ちたような顔をして、

「アプリオリなんていって悪かったね。そんな方法論を言っても小説はかけないね」と言いながら、

すまん、すまんと手を出してあやまるのです。

それに驚いたけれど、横目で見て、

「そのアプリオリとやらを行ったら、私の『ねずみの冒険』を聞かせるゾォ!」と脅しておきました。

その『ねずみの冒険』とは、いったい何なのでしょうか?

ややこしい話をされた時に話してやるつもり。

謎にしておきます。

そして、「その指輪物語って何巻まであるの?」と聞かれ、

「10巻」と言うと、

「迷惑やねぇ」とため息をつきながら言うのです。

何で10巻あったら迷惑なのか、その理由は何なのよ!とその言葉の方が謎。

 

そんなことがありながら、正月の料理は何にしようと思案中。

今年は、小鉢で料理を出そうかなと思いついた。

そうすると、新しい小鉢を買いたくなるのでした。

大、中、小の小鉢に料理をのせ、並べた様子を浮かべ、うっとりしています。

この妄想している時間は、とても楽しい。

 

↑食卓の花。

菊を頂いたので、庭の南天と一緒に飾ってあります。

お正月になると、庭の松の木を切って南天と合わせて花を飾ります。

↑ストーブの前でくつろぐピピ。

くつろいでいるにしては、目が怖い。

どうも私が大好きらしくて、周りで常に鳴く猫ちゃんに成長した。

抱っこをしてもらって、撫でられながらジーと見つめると鳴きやみます。

「ピーちゃん、そんなにズーとピーばかり見てられないの!」と言う。

写真にある、こういう顔の時は、遊びたいモードらしく、「ぴー、ぴー」鳴きます。

この名前、とても合っているようで今になって納得なんです。

ヒロクニさんが付けたのですがね。

 

私のクリスマスの思い出やら、

私達のある日の会話や、正月気分やら

まぜこぜになりました。

最後まで読んで下さった方、てんこもりの話を読んで下さりありがとうございます。

 

 

 

 

 


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2 コメント

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Unknown (ともりん)
2021-12-29 00:21:25
「ピンクは夕焼け」確かに夕焼けだ!と、うきうきしました。なんときれいなピンクなのでしょう。のろしのようなピンクもキュートです。この作品は本当に心がうきうきします。
建物もキュートですが、バックの夕焼けとのろしがどんどん流れているように感じられて、とても楽しくハッピーな作品だと思いました。
うきうきに浮かれていましたが、さほんりんの「茶色の部分では」を読んで、はっ!と冷静になりました。楽しいのはもちろんですが、もっと深く「あ、すごい」と思いました。
うきうきと「あ、すごい」が共存していることに、結構驚きました。こういう感覚はあまり感じたことがありません。これが絵画を感じる、ということなのかなと思いました。

クリスマス、さほりんの思い出を楽しく、ちょっと複雑な想いも混じらせながら拝読しました。
雪だるまの表面を手でなでてつるつるにして、新品のようなたっぷりとインクがあるマジックを何度も付けると雪にも描けるのかも?と思いました。お父様は頑張ったのかなと思いました。
少しだけ、私も思い出を語らせていただきますね。母が洋物のハイカラが大好きなので、クリスマスは家族でホームパーティーをしました。
ツリーを飾り、部屋を電飾やオーナメントでデコレーションして、チキンやカナッペとケーキ、シャンパンとシャンメリーをワイングラスで。家族でクリスマスソング『もみの木(O Tannenbaum)』をドイツ語で合唱しました。
しかし、プレゼントはありませんでした。私が吊るした靴下には、毎年姉がキャンディーやキャラメルを、そうっと数個入れてくれていました。
姉はクリスマスプレゼントがないことがわかっていたので、妹の私ががっかりしないように、子供ながらに頑張ってプレゼントを入れてくれたのだと思います。
それがわかってからは私も姉の靴下にプレゼントを入れて、姉妹でお互いにクリスマスプレゼントを靴下に入れ合うという、ちょっとおかしなことになっていました。

指輪物語!読むのが大変です。私は未だに読めていません。「迷惑やねぇ」はちょっとわかるような気がします(笑)
小学生のとき『赤毛のアン』が好きで読んでいたのですが、シリーズがいつまでも読んでも終わらなくて、最後の方は「また出たのか!」となんだか修行のように読んでいたことを思い出しました。
同じくらい好きだった『メリー・ポピンズ』もシリーズが続きましたが、ちょうど良い塩梅で終わらせてくれたように思います。

アプリオリで小説が?と少し(かなり)考え込んでしまいました。その後のジェンダー的な論議の会話からミステリーにつながることも、そのような流れはいかにして?と内容も含めて、むーん、と考えましたがわからず……。
でも、つながらないことは「今気が付いていないだけで、きっと何かあるのでは?」と、このことを忘れないようしておこうと思いました。いつか「はっ!」と気が付くのではないかと。そしたらすごく得した気持ちになります。

『ねずみの冒険』はとても興味がありますがとっておきのお話のように思うので、ここぞというときに知りたいです。ぐっとがまんして自分の中で想像して熟成させることも楽しみの要素です。

食卓のお花がとてもお正月っぽいのにエキゾチックでフレンチ。このセンスはいつも脱帽です。どうしたらこのようにできるの?と、何度もながめてしまいます。
前回も書きましたが、さほりんのお花やテーブルセッティングは、静物画のようです。頑張って真似しても、この雰囲気は出ません。
この「すごいなあ」を感じるとき、いつも思い出すのが在廊していてお会いしたときの黒のタートルネックにパールのネックレスの、しゅっとしたさほりんの姿です。

相変わらず、いたずらっこのピピちゃん。「ぴー。ぴー。」鳴く姿を想像すると、とてもかわいくて笑ってしまいます。いつもかわいくて、ありがとう、と思います。

いきなり大寒波がきて、一気に冷え込みました。元気なお気持ちでお過ごしいただけたら嬉しいです。
楽しく、考え、新しいことを教えていただけるブログをありがとうございます!

いつも長文ですが、今回はいつもより長文になってしまいました。長文のコメントを読んでいただき、ありがとうございます。
返信する
コメントありがとうございます。 (さほりん)
2021-12-30 11:34:46
ピンクとあの薄いブルー、空色はヒロクニさんの持ち色です。特にピンク色の作品が好きな方が他にもいます。懐かしいというか、郷愁の色なのかな?と思って私は思ったりすることもあるかな?楽しい気持ちで見て下さって嬉しい。それといつも絵に方向があって、流れるような感じ、船の絵はどこかを目指しているようで、これは無意識にそうなっているのか?と思いながら横から見ています。色鉛筆の絵のひび割れ・・、もうよくやるなぁ~と感心しています。

クリスマスのお話、姉妹愛のいい話ですね。それとナンとハイカラな家庭と思いました。ドイツ語で「もみの木」を合唱なんて!すてきなご家族!ホームパーティという手作り感もいい感じだし、欧米のクリスマスの過ごし方に近い感じが素敵。私は姉なので、お姉さんがプレゼントを用意してあげていた気持ちと立場がよくわかる(笑)また、妹としてお返ししなくては・・・、というけなげな気持ちも微笑ましい。お互いに入れあいになってしまって、おかしなことに・・、とありますが、そのおかしなことって思い出になりますよね。いいお話です。心が温まります。クリスマスツリーとそのパーティの様子を思い浮かべてしまいました。

「指輪物語」を読んでいます。ハリー・ポッターの作者が影響を受けた本にあげていたという理由から。ちょっと取っつき難いところもある。それは置いておいて、ヒロクニさんの書いたといわれる小説を問い詰めてみました。アプリオリにはまいりました。私などは、無駄な単語を使って人を煙にまく気か?と。ヒロクニさんのジェンダーも「男と女は違うんだ」ぐらいの意味だと思います。あまり悩まれませんよう。「お爺さんは芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に」ぐらいの意味だと。夫を見くびっているひどい妻の言い草か?
「赤毛のアン」は読んでいないのに気がつきました。「あしながおじさん」と混同していました。そんなにシリーズが長いとは・・・。でも、機会があれば読んでみます。メアリー・ポピンズも懐かしい。私はメアリー・ポピンズの持っている鞄がとても好きでした。子供の頃、憧れていたのを思い出します。「ねずみの冒険」は、私が話す昔話みたいなもので、私の自作話。ヒロクニさんに教訓を与えるための物語なんです。教訓によって話の筋がコロコロ変わるという・・・。ヒロクニさんが、すごく嫌がるところがいいという。新手の攻撃なんです。

食卓の花を褒めてくだっさってありがとう。今から花がない時期ですが、南天が我家にはたくさんあるので。食卓に花を飾りはじめてから月日がたったような。今住んでいる古い家に似合うように飾っているのかもしれないと思いました。雰囲気になっているのかも?

ピピは、人懐っこくて・・・。よく鳴いて色々言います。そして、やっぱり可愛い。猫って得な生き物です。

寒くなりましたね。ヒロクニさんはブツブツ言っています。寒さが苦手だから。でも、2人とも元気で過ごしています。ブログで楽しく考え~と評価してくれてありがとう。励みになります。
長文になってとありますが、そんなことは気にしないでね。楽しく拝読しています。ほんとうに往復書簡よ!
もうすぐ、新しい年になりますね。
そんなことを思いながら、いつもありがとう!
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