「ちょっと描きなぐった絵だけど・・・。今日はこの辺で制作は終わり。」と
言いながら、目の前に置かれた作品。
「もしかして、人が描かれている?」と、聞いたら、
「顔だよ。」と。
全体に塗られている、ちょっと暗くトーンの落ちた赤がなんともいえない。
笑顔な感じが気持ちを明るくさせる。
赤が、新年を迎えるにあたって、気持ちを高揚させてくれます。
私は、描きなぐりでもいいから、気楽な感じで油絵も描けばよいのでは?と思いました。
しかし、ヒロクニさんは、「この辺で、一旦油絵は置いておいて、色鉛筆に集中しようと思っている。
やっぱり色鉛筆は、ストイックな要素が多いし、売れる確率が高いでしょ。」と。
アトリエが6畳の1室なので、同時にすると困難が発生するので、色鉛筆に絞るということなのでしょう。
今年もあとわずかになりました。
年々、1年が早く感じます。
淡々と日常を送った1年でした。
外に向かって行動したというより、家での生活が中心となり、日常がとても重要になった1年でもありました。
花を育てたり、野菜を植えて収穫してみたり、おやつ作り、手作り料理、趣味としての刺繍、
「作る生活」に勤しんだ1年でした。
こういう風になるきっかけは、貧乏画家のヒロクニさんとの生活ですが、
何か手放したくないこと、また、節約術の結晶だったと思います。
いちばん手放したくないものは、「手料理」でした。
また、手料理は節約にもつながるので、せっせとしていたように思います。
「買うよりも、量が作れ、尚且つ、安いくつき、美味しい。」と思いこんでいるので、
頑張ってもいたし、やりがいがあります。
台所のマット等も、安くで買った糸を編んだりしているうちに、古くなったTシャツ等を糸状にして、
編んだり(配色には気を使った方がいい)と、色々節約かつ作り物をするきっかけが・・・・。
花は、苗ばかり買うと高く付くので、出来るものは種から育ててみたりと試行錯誤を。
また、手作り料理に、手作り野菜も添えてみたり、食費も節約できるかな?とか。
おやつは、制作で疲れた時にとてもいいみたいで、ヒロクニさんが食べたがるので、
作った方が安く付くと思い始めました。
気が付けば、手作り生活になっていたわけです。
「節約」「安く付く」この2つのためにやってきったのですが、
貧乏だとやりがいがあるのです。
また、寂しくならないのがいい。
そんなことを振り返っています。
ヒロクニさんの絵は、やはりプロというか、自分は画家だという信念のもとに描かれていますが、
私は、趣味というのにも開眼した。
刺繍は、私にとっては「趣味」なんです。
趣味の「ある種の気楽さ」というのを味わっていて、不思議な感じなんです。
いつもプロの画家の横にいるからでしょうか?
気負いというものを捨てて、取り組んでいます。
たとえば、この画像は、pinterest からの画像なのですが、
この肖像画のドレスの刺繍柄を右のような感じで図案にしてくれているのをみつけました。
図案で余りにも細かい所や、刺繍をするには、わけがわからない箇所は、
自分で適当に省略したり、簡素にするなりして刺してみました。
↓これ
肖像画の写真の感じにしてみたのが、左。
シックな感じにしようと思い、白っぽいベージュを花にしてみたものが右。
こんな感じなのですが、いつものように商品にしてどこで売ろうか?とか、
コストは・・、刺し方が・・・、とかは考えず、気楽にやっています。
この気楽さが、私にとっては新鮮なのです。
年末に向け、ピピちゃんも、お風呂に入れました。
生乾きの状態なのに、ストーブの前ではなく、窓際に行くのであった。
庭木が多いせいか、小鳥が来るらしく、小鳥を見るのにいつも夢中です。
時々、おしりをフリフリしている様子を見ると、笑ってしまう。
ものすごく、ピピの好きな場所なのです。