武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

めまいがするよ。

2009-04-28 22:12:42 | Weblog

今日は、めまいがするのでお休みします。
ヒロク二さんの話を理解することが、出来ない日でした。そうです、巫女様になれなくて、ただの人。分からないけど、ず~と、頷いていました。とにかく、夕食の準備する活力だけは残してとばかり考えて頷いていました。
猫のキタハマは、熟睡の時はちょっと口があいて小さな歯をみせて寝る。こういう姿を見ると、「わたしは、猫になりたい」と思います。


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麦飯カレーの巻

2009-04-26 15:26:24 | Weblog
毎日新聞夕刊(東京都内版)2007年7月31日(火)掲載のえ

藤原章三記者からのFAX。
異能の外交官、佐藤勝さんの房でのカレーライス。
麦飯カレーライスと聞くだけで、スッパクてカライ。
赤、黄を辛子になるまで、
塗りこめろ!という具合で、
ヒトは宙を飛んでしまいました。
カレーの上空・中をトブ。
のちに我らが、鈴木琢磨記者と「情報力」を刊行したヒトでス。                    武内ヒロク二

外務省職員であり、作家の佐藤勝さんの思い出は、東京拘置所で一番人気のあるカレーライス。ご飯は3割が麦。カレーの汁はさらさらだけど、だしがとれて味があり、結構辛いカレーで横須賀カレーに似ていて、拘置所のは高級ホテルのより美味しかったと。独房でカレーを食べていると、同じものを食べてる人達が外にいるんだと思えて、外とつながっている実感が大切だと思ったそうです。

拘置所のカレーというのは、どんなカレー何だろうと思い想像してみた。学生時代の学食や、某病院に入院したときのカレー、とにかく多量に配膳されるカレーのことを考えていた。ヒロク二さんは、わたしに拘置所の電話番号を調べさせ、カレーのことを電話で伺ったのです。「拘置所のカレーライスのことをおしえて欲しいんですけども。どんな形状してるのですか?」とのっけからこう言うので、事務員の方が慌てられてよく分からん電話だと思ったのか、ヒロク二さんは何度も同じことを聞いていた。「形状」という言葉を、ヒロク二さんはゴミ箱にも使う人なのだ。四角いゴミ箱だと「この面のマッスがどうのこうの」となる。横で聞いているわたしは、「ジャガイモの大きさは?」「肉は?」と言って具体的なことに躍起になっていたが、決定的なことをヒロク二さんに言った。「見たことない」って。配膳に関わってないので知らないんだって。
 こうなったらと思い、ボンカレーを買ってきて、ジャガイモやニンジン、玉ねぎを炒めて茹で、ボンカレーにカレー粉を足し、さらさら汁にするために水をたし、野菜とルーを混ぜ合わせて、麦が3割のご飯にカレーをかけた。麦は浮くので炊き上がったご飯の上は麦。押し麦だったので結構いけました。そう、ご飯より、カレーの味の方が怖かった。

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家の中での三角関係

2009-04-24 22:46:11 | Weblog

この写真は、鏡に写るキタハマちゃんを撮ったら、偶然ヒロク二さんが写っていた。実は、この部屋はわたしの部屋です。襖の落書きは、子供の造形教室に来ていた子供達が残していったもので、「しつれんしまくり」と書かれた意味は、松村先生(わたし)は、失恋をしまくったため、人生がどーでもよくなってヒロク二さんと結婚したということらしい。
猫のキタハマが、自分の寝場所から窓の外を見ているのが可愛く思えて、台所から写真を撮った。可愛い形をしているうちに撮ってしまえと何枚も写真を撮った。中の一枚からヒロク二さんが写っていてびっくりしたのです。全く気がつかなかったから。急にアトリエから出てきて、いつもわたしを見張っている証拠写真のようなもの。ヒロク二さんがよしとすることをしていれば、機嫌よく声なんかかけていくが、なんとなく意に外れているとこんな表情をする。写真自体は大失敗なのだけれど、我が家で、3人がどういう風に暮らしているかということが分かる写真だなぁと思って大切にしています。

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南無 本師釈迦牟尼佛の巻(作品紹介)

2009-04-23 21:15:01 | Weblog

左側。


これが中心にくる。


右側。

この作品は、仏教劇の舞台美術で使われたもので、中央に蓮の花の中にいる人物を囲むようにバックに置かれたパネル。家にある写真でちらっと見た記憶をもとに書いているので正確ではないかもしれない。
神戸の長田区にある明泉寺にヒロク二さんが足繁く通っていたのは、この作品の頃だ。家の中で仏教聖典を見つけて、パラパラとめくっていると色鉛筆で「心をば総身に捨て置き、所々止めずして、その所々に在りて用をば外さず叶うべし」という箇所に線引きしてあった。本の見開きを開きながら、わざわざヒロク二さんに具体的にどういうことなのか聞くと「実際には、難しいの」と本を閉じられた。仏教講座に一緒に参加したりしてみたが、わたしが知ったのは、大きな声で、南無 本師釈迦牟尼佛(なむ ほんししゃかむにぶつ)と唱える事が大切ということだけ。とにかく、南無 本師釈迦牟尼佛を覚えた。
あと、仏教に関係あることと云えば、子供の頃、母から「八正道」ということを教えられたことぐらいかな。子供だったので、正しく見る、思う、話す、行う、生活するぐらいしか理解できなかったが、子供心に正しく思うといっても大変だなと思っていた。それを教えた母が、あきらかに間違った事を云う時などに、その「八正道」なる言葉はピッカッと光輝き、私の心は清らかになり、それは変だという考えが浮かんでくることがあった。そのピカッと光る瞬間は間違っていることだけが、妙にはっきり分かるのだ。しかし、ヒロク二さんといると、普通という物差しが聞かなくて、世間という物差しでも測れないことがあり、簡単に間違ってると言えなくなってしまった。長い時間をかけて、わたしは、悟ったのです。ヒロク二さんに鍛えられてるということを。ヒロク二センセイといることは修行の一つと思っております。なんでも修行と思えば、気が楽になりません?

ヒロク二さんは、明泉寺の玄峰和尚と「こんにゃく問答」というのをしたことがあり、何それ?と思う、とても変な問答がある。この和尚さんは、結構いたずらっ子で、ヒロク二さんがくそ真面目な顔している最中に席を外すと、二人でイヒヒと笑ったりして、時々ヒロク二さんをかつぐのである。

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コーヒーの巻

2009-04-19 22:56:31 | Weblog
毎日新聞夕刊(東京都内版)2008年3月11日(火)掲載のえ


俳優の小林桂樹さんが、昭和17年に日本が陥落させた沼南島(現在のシンガポール)に行ったとき(19歳)に出会ったものが、バヤリース、バナナ、コーヒーと煙草。そして、ウイスキーはジョニ黒。その中でもコーヒーが安くて、香りがよく本物の味がしたと語ります。

電話の向こうから、藤原章生記者の一声。
「ヒロク二さん、小林桂樹さんでス」途端にポマードの匂いがしたように思う。
藤原さんと桂樹さん、両方共から匂ったように思えた。
「coffeeでス」「わかりました」戦時発揚の向かう敵なしの日本軍。
藤原記者の雄姿をイメージした。
熱い日のcoffee、煙草、ジョニーウォーカー。
今、藤原記者は、ローマ駐在でス。

              武内 ヒロク二


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そばの巻

2009-04-18 15:03:15 | Weblog
毎日新聞夕刊(東京都内版)2006年5月9日(火)掲載のえ

春の暖かい日に、そばを食べに行きました。

作家、作詞家の山口洋子さんは、いきなり男のハゲも、そばも老けた感じがして大嫌いだったんですよと。ハゲは男じゃないくらいに思っていた。老いの象徴みたいに思えて、ズッと避けてたそうです。五木ひろしさんに日本の原風景を歌ってほしくて書いた「千曲川」に、その歌碑が千曲川のほとりに建つことになって、そこで観光協会の会長とそばを食べた。ハゲで満月のごときまんまる頭の会長と食べたそばが美味しく、ハゲてるけどいい顔している会長さんと巡り合い「そばとハゲに目覚めた」と語ります。

ヒロク二さんと近所でそばを食べに行きました。阪急逆瀬川の駅前のアピア1の裏側にある「みよし」というお店へ。美味しいそばを食べると必ず付いてくる、そば湯を楽しみにしていきました。写真を撮ったり、そばについて伺ったりとヒロク二さんはせわしない。ヒロク二さんは、「そばちゅうのは、何でできてるの。」とクエスチョン。店のオーナーとお話をしていろいろ知識を得ていた。その間に、わたしは、メニューを見たり、値段を把握したり、夜はお酒が飲めるのか、お酒の種類や、単品料理を見たりと情報を頭の中に。家に帰ってからヒロク二さんとそばについて語り合った。そして、同じ麺でもうどんとそばの違いは、ロマンではないかという事になった。信州でよく自分で育てたそばから自分で打ったそばを食べさせるお店とか、定年退職してそば打ちに励む人というのはとても多い。その反対にうどんは、そこまで凝ってする人はあまり聞かない。そばの方が男性のロマンを駆り立てる存在なんだなと薄らぼんやりと分かってくる。しかし、ヒロク二さんは、値段が一番気になるらしい。そうはいっても、おいしいそばを食べようと思ったら600円以上は出さないとね。


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木に登るヒロク二さん

2009-04-17 21:46:16 | Weblog

松の木の枝をのこぎりで剪定しているヒロク二さん。
空は雲一つなく、快晴。
子供の頃、木に登ったり触ったりして遊んだものだけが、木に真に愛情を持てるということを言われている方がいました。そうかもしれないと思います。
小学校のころ、木に登っている腕白そうなクラスメイトに、「おい、おまえ。」と呼び止められたことがあり、木に登った男の子はなかなかさまになっていた。その男の子は、下校する班が一緒でいつも、その他にカバン持ちをさせるので、不当と思い私は、先生に言いつけたのだ。「おい、おまえよくセンコウにいったなぁ。」へへん、と鼻をすすって降りてきた。殴られるのかと思ったが、意外なことに、「よし。」と言って「おまえを認めてやる。」と言って走って行った。カバン持ちもなくなり平和になったけど、言いつけたので先生の考えで、その男の子と下校することがなくなり気が抜けた。「文句言っているうちが華」という言葉があるが、最近、ソーカモしれないと思うこと多し。

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春のキタハマは、コロコロ

2009-04-16 22:51:03 | Weblog

ごろごろ


ピッタッ。

今日、5月16日はヒロク二さんと画材を買いに神戸三宮まで行って、雄猫がマーキングするように、次、次とショップを回り、初対面の人ともお話。三年間、イラスト連載で気持ちを開放することが出来なかったヒロク二さんは、蘇生していっているという感じ。よく歩いた。あっちの街角、こっちの街角と。そして、珈琲と煙草。何杯も飲むので、「私は飲まない。」と言ったら、なんとお店で「一杯分の珈琲を二杯に分けてもらったから、飲もう。」と言われびっくりした。珈琲専門店でパートをしたことのあるわたしは、なんと非常識なと・・・。二つのカップに半分の量の珈琲。ため息。そのお店には、彫刻家の東山嘉事(ヒガシヤマカジ)先生の大きな彫刻を見つけたため、吸寄せられるように入ってしまってから珈琲店だと分かったということもあったのですけど。廃材の鉄で出来ている作品で、東山嘉事先生と楽しく話したことを思いだします。そう、よく「ぼくらは、物語派。」と言っておられました。

ヒロク二さんと遅くまで、神戸をフラフラしてました。
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たけのこご飯

2009-04-14 21:08:05 | Weblog
毎日新聞夕刊(東京都内版)2007年5月1日(火)掲載のえ

右に浮かぶほんわりしたのが、たけのこご飯。ちょっと沈黙。

小説家の林真理子さんの思い出は、父が「うち食らった」というたけのこご飯。両親は戦争中、中国にいて、わけあって昭和28年に父は引き揚げてきたと。その引き揚げてきた時に、どんぶりに3杯食べて、父がお腹をこわしたのが「たけのこご飯」。そのことを指して、抑制のきかない人間の象徴として、家族からことあるごとに父の非難の材料に。しかし、そのお父様の背後にある悲哀と人柄を感じさせる林真理子さんの語り口から、娘から父へのあたたかい眼差しを感じます。


ヒロク二さんは、「たけのこご飯」も「たけのこ」もどちらも選ばず、両方描いてしまったようだ。この食べ物の絵というのは、ヒロク二さんにとっては、風景画としての食べ物という考えがあり、自分の中で面白いなというテンションが出来上がらないとだめで、いつも自分の中で面白さを問うている。ヒロク二さんは改めてこの絵を見て、「ムチャクチャやね。オレ、ドーニカシテタンジャねぇ。バラバラになっとんねぇ。オレにも理解できないねぇ。」と言って、頭を掻いてました。無難でつまらない絵を描くことが一番嫌いである。

サホリさんの余談
今、たけのこは旬ですよね。季節とぴったり合わさって、「たけのこご飯」の絵を描くことになりました。たけのこは、水煮ではなく、皮がついているものを買いました。丸ごとのたけのこは、アク抜きしてから使います。これは、働いている主婦にとっては結構大変なのですね。働く女性で優秀な仕事をされている方から、「たけのこは、貰わないようにしています。」と云う話を伺い、とても忙しいのだと思いました。わたしが、初めて専業主婦というものを体験して思ったのは、家にずっといるという事も大変なんだという事です。主人は家で仕事をしているので、家にいて身の回りの事ばっかりしていると、これって定年退職の生活と疑ったものです。最初は、暇だったのですが、いろいろ料理の開発や創意工夫するうちに、芋づる式に発見がすることが多くなり楽しくなって来たのです。働く主婦が専業主婦を暇人とみたりするのはいけない。どちらの主婦も一生懸命すると面白味が出てくるという事に気がついた。家にいて時間にゆとりがあれば、料理でもたくさん目に作ってちょっとお裾分けをしたり、少し喜ばれることを考えるのも面白い。働いて家事をしている人はゆとりはない。その代わり、「専業主婦の人のことを暇を持て余していい身分と思わないこと」である。いろいろな人の言い分や、わたしの体験を通して思いました。わたしが作ったたけのこご飯も、少しどこかへ貰われて行きました。

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きんぴらの巻

2009-04-13 22:32:59 | Weblog
毎日新聞夕刊(東京都内版)2006年4月25日(火)掲載のえ

きんぴらを小さな小鉢に盛った。ごぼうがちょっと烈しい?

女優の大山のぶ代さんは、アニメドラえもんの声で大人気の方。あのドラえもんのキャラクターを浮かべれば、「のびたく~ん!」の声が浮かぶ。東京・恵比寿で大家族に生まれた大山さんは、江戸時代生まれのひいおじいちゃんとおばあちゃん、明治生まれのおじいちゃん、おばあちゃん、父と母、父の弟つまりおじちゃんたちが4人、お手伝いのお姉ちゃんが1人、と兄と私という大所帯。二つのちゃぶだいの真中にどんと山盛りのきんぴらごぼう。ごぼうを切る音が聞こえると、包丁の音で「きんぴらごぼう」と解ったそうです。その音はお台所の音楽と語ります。

ヒロク二さんは、料理はしないのでいつも何から料理が出来ているか解らない人である。きんぴらごぼうは、ごぼうで作るというのもよく解っていなかった。まず、黒い土の付いたごぼうの表面をこそぐと白いごぼうの肌が見える。まず、それで「ほぉう。」とか「面白いねぇ。」とか云うの。ボールに水を張って、ごぼうのささがきをすると、「大変だねぇ。」とか云うの。わたしは、「ごぼうは、灰汁があるから水を張ったところに入れて灰汁を抜かなければいけないのよ。」と言ったら、そしたら「フェ~!」て。「ところで、サホリ、ごぼうは花なんか咲かないの?」と聞く。「えっ、そんなん知らない。」と言うと、「調べてくれ。」と怒っている。こうなったら、わたしは、ヒロク二さんの奴隷状態で言われるがまま。ごぼうの花を描いたりしている横で、電話が鳴った。編集員の方から「どうですか?」の電話だ。電話を取るや「鈴木さん、ごぼうの花なんか描いてるのだけど、やっぱりきんぴらごぼうを描かなくっちゃだめだよね。」と大声でいい、すぐに電話を代わった。「分かった、鈴木。」と言って電話を切るやいな、きんぴらごぼうを描き始めた。ホッとしてへなへなとなり、如何して、妻が同じ事を言っても聞かないのに、他の人がいうことは素直に聞くのだろう。いつも思うけど不思議。

きんぴらごぼうは、いつも家でささがきにします。大変だけど。


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