この絵は、2日前に手渡されたもの。
最新作です。
「これ、見といて。」と言われました。
色鉛筆と鉛筆で描かれています。
最近、鉛筆の8Bという濃い鉛筆をまとめて購入したので、使っているかもしれません。
線が野太くなって、シンプルな絵です。
タイトルは「貴婦人」と名付けてみましたが、隕石が落ちてきたような図にも見えます。
この絵と対になる絵があると説明されましたが、どの絵なのか???
まだまだ、見たことがない作風が出てくるヒロクニさん。
彼の年齢(84歳)を考えると、まだ未知な領域があるのに驚きます。
現在進行形であるところが、とても良い。
昨日、朝、ヒロクニさんは、「さほりは、昨日とても素晴らしいことを言っていたよ。」
「女房がそんなことを言うなんて、嬉しいよ。」と、言われる。
何を言ったけ????と、まるで覚えていない。
「昨日、なんて言ってたの?覚えてないのだけど。」と答えた。
気持ちを台無しにしたようで、プイと横を向かれ、アトリエに消えていった。
今も思い出せない・・・。
何を言っていたのか気になります。
再度、「私は何を言っていたの?」と、ヒロクニさんに聞いても、無視されます。聞いたら、機嫌が悪くなるよう・・・・。
もう、ガックリきているのでしょう。
「消滅」という言葉がぴったりです。
ヒロクニさんの中で、灯火が「消滅」したのでしょうね。
私の中では、空ですから。
女房が・・・、恋人が・・・、のシチュエーションにすごく敏感な人なのです。こだわりを感じる。
例えば、映画「ゴットファーザー」を映画館で一緒に見たことがあります。
アル・パチーノが扮するマイケルは、マフィアの世界とは別の堅気の人だったのだが、抗争の末、兄が死に、マフィアの世界に入り込むことに。復讐で人を殺害し、その後、アメリカを離れ、イタリアへ。
そのイタリアで見初めた女性と式を挙げ、ささやかな幸せを。そんな中、追手のマイケルの暗殺の魔の手が・・・。車の爆破で、その彼女が、マイケルの目の前で死ぬ・・・。
このシーンで、私の隣でヒロクニさんは号泣して、嗚咽をあげて泣くのです。凄い涙だし、ハンカチを貸し、そのオーバーアクションが凄い。私は、珍しい動物を見るような感じで、驚きで一杯になりました。私は、そこのシーンでは、まったく涙は出る要素がなく、冷血漢の女って感じで横に。
たぶん、「身を隠して生きている寂しい心境と、見初めた女性とのささやかな幸せ」が壊れた瞬間に、悲しみが湧いてくるのだと思います。そして、ヒロクニさんのキーワードは、恋人なんだと思います。感傷を揺さぶられるワードであると確信しています。
この辺が、私には可笑しく感じてしまうのですが・・・。
(冷酷な妻です)
「恋人が死ぬ。」これが、ヒロクニさんの感情を揺さぶります。
映画で泣くシーンって、人によって違う。
私は、「わが谷は緑なりき」を見たら泣く。
この映画は、炭鉱の村で暮らすモーガン一家の物語なのですが、炭鉱が花形だった時代から、斜陽になっていく時代を生きる人達の葛藤や家族のあり方が描かれている。一番若い末っ子フューが、学問をあきらめて炭鉱夫として家族を養う決意をする辛い部分もあるのですが、そのフューが理不尽ないじめられ方をするのです。耐え忍ぶシーンがあるのですが、そのシーンになると必ず、泣いてしまう。その辛さを一緒にかみ締め、しかし、心まで折れてはいないその姿にジーンとするのです。
そして、奥歯までかみ締めて、号泣します。
人は、同じ所で泣くようで、ビデオで何回見ても同じところで泣くのですね。
ヒロクニさんが映画ゴットファーザーを見る時は、ハンカチとかティッシュを用意しています。
あれ?何で映画の話になったのだろう?
朝のヒロクニさんとの会話から、
予想外の内容になりました。
私は、いじめが嫌いなようです。
付け足しておくと、本格的ないじめをする人は、いつも同じ人です。
そういう人を知っているから、確信しています。
今年は、桜も3月から咲き始めました。
我家の庭も本格的に春の様子になりました。
↑ムスカリ。
この球根は増えるようで、近所の方にも分けたので、違う場所でも見れるように。太陽の方へ向いているのか、同じ方向を向いています。
↑チューリップもつぼみが大きくなってきています。
ヒロクニさんは、「チューリップの葉の曲線って、きれいなんだね。」と。
↑こちらは庭の花の全体
ニラ花が自生していますが、それも咲き始めているので随分賑やかになってきています。
ニラ花は、またの名を「イフェイオン」と言います。
↑この「イフェイオン」は、庭の奥の方まで続いて咲いています。
繁殖力は旺盛のようで、どんどん増えていっているよう。
この季節は、外で椅子に座って、花を眺めています。
ガーデニングを始めて、植物から教えてもらったことがあります。
■待つこと
■虫が怖くなくなったこと
この2点の内、「待つこと」は、重要でした。
最初の頃、種をまいたら、すぐ芽が出ると勘違いしていて、
待つことが出来ない性急な性格だったのに気がつきました。
すぐ結果を求める忙しい性分は、今は減ったのではないかなと・・・。
今は、絹さやの収穫を楽しみにしています。