武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

思えばここまでよく来たものだ。(作品紹介395)

2015-09-28 15:42:03 | Weblog

どの絵をブログにあげようか?と、
ヒロクニさんのファイル(このファイルはヒロクニさんが管理しているもの)を見ていました。
この絵を見た時に、こういうスタイルの絵を描いていた時期を懐かしく思い見ていました。
’99と記入されているので、16年前の絵か・・・・、と思い、歳月の流れを感じた。

阪神大震災があったのが、1995年1月17日。
震災後4年頃の作品。
ヒロクニさんも私の実家がある宝塚へ転居して、変化の中落ち着きを取り戻していたのか?
私は、転職して家計にお金を入れることしか考えていなくて、それ以外はあまり覚えていない。
ようするに、私の頭の中は「金・金・金、家計、家計、家計」でありました。
だから、他のことはあまり覚えていないのです。

しかし、どんな時でいつもヒロクニさんの絵があり、
絵を見ると時間の流れを思いだすのです。
この絵をみて、今現在の作品を見ると時間が流れたなぁ~とハッ!とした。
そして、先へと進む精神がそうさせているのかもしれない。

それと、ヒロクニさんもこの頃そんなに愉快な日々を送っていたわけではない。
夫婦喧嘩もよくしていたし、キタハマ(猫)もまだ登場しない。
よその地で、私が仕事に行っている間、1人で絵を毎日描く生活。
自身の生活の苦悩は、作品に影響することなく別次元。

もっと以前大変な時期があったらしく、怒りが充満している作品もあるのですが、
ジーと見ていると怒りの表現が異常にストレートで、直球すぎて「笑えてくる」作品もあり、
本人は真剣なのだろうが、ちょっと笑ってしまう作品もある。
こういう所が、憎めないのかもしれない。

ヒロクニさんは、普通しない苦労をしてきている「牛小屋の二階で間借とか・・」
私は、いつもどういう布団で寝てたのかとか?牛は臭くなかった?人との連絡は?と聞く。
ヒロクニさんは、牛小屋の窓から、自分の所へやってくる女性が見えるとか、差し入れをしてくれる女性でしかじかとか。
何故か、牛小屋にいる苦痛より、女性の話をする。

ちょっと、話がそれましたが、ヒロクニさんは苦労も可笑しくする能力があり、
ダンボール箱に板をのせて絵を描いていた時期でも、世を少し呪いながらも、
ウキウキ感がある絵を描いているなぁ~とも思ったのです。
自分を哀れむ言葉ばっかり聞かされて、しまいには「私こそ酷い目にあってると思わないの?」と言い返した。

現在の制作は、次のこと、もうすこし先を見越しながら絵を描いているようにみえます。
落ち着いた感じのする作品が出来上がることもあるので、見新しく見ています。


「サホリ、コレ見ない?」と言われて、
GODZILLA ゴジラをテレビでやっているのを2人で見ていました。


ゴジラを見て、「ジル(我が家の猫)とよく似ているじゃないか!」とか、
ゴジラの敵(イカと似た怪獣)がビルをぶっ壊していると、
「習近平のとこに行けよ」とか野次を入れるので、笑ってしまった。
ヒロクニさんは、アメリカ好き・・たぶんアメリカの過去の映画や、
ジャズやロック、ポップアートそれ以外にも好きな芸術家がいるので、
アメリカが好きなんだと思います。

私は久々に「あのイカのような怪獣二匹にまけるな!ゴジラ頑張れ!」と
ジルを応援するようにゴジラを応援したのでした。



我が家の庭は、球根の植え付け待ち。
そのかわり近所で、いっぱいのひまわりを見つけました。
青空に映えて、とてもきれいです。
そうしたら、ジル(猫)が足元にやってきていました。











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パウル・クレー展を見に行く。(作品紹介394)

2015-09-21 14:34:39 | Weblog

武内ヒロクニの作品↑

兵庫県立近代美術館でのパウル・クレー展の開会式に参加してきました。
上の絵は、クレーではなくヒロクニさんの絵です。
この絵は、3週間程前に出来た武内の絵。

パウル・クレーは、私にとっては特別な作家でとても好きな作家です。
高校生ぐらいから「いいなぁ~」と画集をみては、うっとりしていました。
ヒロクニさんに行こうよ。行こうよ。と何度も言い、説得。
そして、2人で行ったのです。


ちょっと早めに到着!

今回のクレー展では、未公開の作品も多く見たことがない作品が多くあり、ウキウキワクワク。
クレーの絵は、多くの日本人に愛されている作家だと説明を受け、そうなんだと知る。
クレーの絵が何故、日本人に好かれるのか?自分自身を通して考えながら見ていました。
クレーの絵は、難解なものも多く、たしかに万人受けするような作品ではありません。
分からなくても「美しい・・・・」とうっとりさせるオーラーがあり、それだけでまいってしまう。
そんな絵画だと思います。

「自分に厳しく、質素な生活の中で、自身も自らバイオリンを弾き、音楽会を楽しむ生活の中から生まれてきた作品達」。
そういう所も日本人が好むのかもしれません。
日本も明治の人達は特に質実剛健な生活を好む偉人が多かったし、昭和の戦前の人も貧乏していても、
躾は行き届いていることが多かった。平成でも、質素な生活を好む人もいるし、質素を美徳としてきた日本人から、
受け入れやすいのかもしれない。派手をこのまないクレーの気質から、いっそうポエジーを感じるのでは?と、
勝手に思っています。
クレーのそういう厳しい質素な生活から、ただよう空気、奢りのない誠実な芸術との関わり方などが、
しっくりくるのかもと思いました。
今回の個展で初めて感じたことです。

「パウル・クレーの日記」というのも読んだ記憶がありますが、作品のふんわりとした感じとは違い、
非常に情熱的で、優しい人というイメージはせず、厳しさと情熱という強い、精神のごつごつとした
野性味が日記からは伝わってきます。けっこう激しい人という印象が残っています。
芸術家は、情熱でなくっちゃ!ね。


今回の展示されている作品のひとつです。
ヒロクニさんは、この作品が好きだなぁ~とつぶやいていました。


これも今回展示されている作品のひとつ。
鉛筆の素描です。
タイトルは、「子猫ちゃんのひとり言」
ユニークな素描で、絶対クレーにしか出来ない表現です。
私は、ユニークな素描がたくさんあったので、非常に楽しかったのでした。


ユリイカ2011年4月号 特集=パウル・クレー 造形思考のコンステレーション
クリエーター情報なし
青土社

この本は、ヒロクニさん所有の本↑


パウル・クレーの芸術―その画法と技法と
クリエーター情報なし
東北大学出版会

この本は、私の所有の本。


家に帰ってからは、パウル・クレー談義に花開くのでした。
あまり、かみあわない会話ですが、もりあがりました。
つじつまがあってなくても、ふたりとも意味わからない会話はスルーしながら、
いいたいことを言うという究極の会話です。
そして、たまに2人で「そうだね」とか言うのです。







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アネモネ珈琲 秋を感じる絵(作品紹介393)

2015-09-09 16:37:45 | Weblog

アネモネ珈琲というタイトルが付けられています。
(私は、さっぱり意味がわからなかった)

初めてこの絵をヒロクニさんから見せてもらった時、正直「何なのだ?この絵は・・・・」と
驚いた。この世の中にある絵とは、凄く隔たりがあり、子供の描いた絵のように思えたのです。

額に入れられ、台所の片隅に長く置かれていた。
そうして時間が経っていった。

ある朝、ヒロクニさんは、
「白鳥は悲しからずや空の青 
    海の青にも染まずただよう」とつぶやき、「若山牧水だよ」という。

「幾山川超えさり行かば
    寂しさの果てなむく国ぞ今日も旅行ゆく」とも言った。

私は聞いてもすぐ忘れるので、メモ用紙に書いてもらった。
あとで、調べて意味をちゃんと解釈したものを読んでみた。

最初の句は、群青の空の色にも染まらず、また紺碧の海の色にも染まらないで、
ただひとり純白な姿を波に浮かべている白鳥のなんと愛らしく、
せつないまでに悲しいことよ。
世に交わることもなく、ひとり清純の魂をはばたかせている自らは、
とりもなおさず、白鳥である。(引用ママ)

という意味。
ヒロクニさんも理解されるとか理解されないとかを超えて、
ヒロクニ流という白鳥なのかしら?と思い、横目で良人をジロリと見た。

ヒロクニさんは、寂しいとよく言う。
そういうヒロクニさんに、単に寂しがりやというレッテルを私は貼っているが、
もしかしたら、ヒロクニさんの言う寂しいという言葉は、万葉集などの「わびさび」の「さび」の意味が
少しはいっているのかもしれない。

そういう詩を覚えていて、口に出せる事に感心した朝でした。
若山牧水は明治時代の詩人です。

そうしてまた時間が経っていった。
ある日、この絵を見ても戸惑いがなくなり、秋のような涼しい天気が続くなか、
秋の入り口にぴったりな心情になった時、この絵に愛着が湧いたのです。

ヒロクニさんの絵は、時間を必要とする絵なのかもしれないと思いました。



雨続きで、気持ちもどんよりしていた時に、この花を飾りました。
台所のちゃぶ台においています。
飾った瞬間、気持ちが華やいで、ホッとしました。
マリーゴールド、キバナコスモス、ペチュニア、千日紅を組み合わせています。
ヒロクニさんも気持ちが抑揚したらしく、「ありがとう」とおーげさに言ってくれて、
なんか誕生日みたいな感じでした。
(誕生日を何回言っても、覚えてくれない奴なのだ!)





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退屈に弱いヒロクニさん(作品紹介392)

2015-09-01 15:50:54 | Weblog

以前描きかけていた作品を手直ししたものを渡されました。
随分前に描いていた絵を完成させた絵です。

A4サイズぐらいの絵ですが、細かいので画像は大きめにしています。
こういう絵を見ると「都会派」という言葉が頭に浮かび、田舎にヒロクニさんは住めない人だなぁ~と、
つくづく思う。
たまに何かの機会で、田舎の方へ出かけ、バスに揺られながらだだっ広い畑や、少なくなってくる家の風景になってくると、
顔がいかめしくなっていき、到着すると、ただ1つある店に駆け込み、ヤマザキパンを買い、急に食べる。
顔をしかめながら・・・・。

もう1つ心配なのは、退屈に弱いというヒロクニさんの性格だ。
退屈すると「生きていても面白くない」「死にたい」と言い出すのです。
田舎へ行けば、必ずいう言葉でもある。
20年前ぐらいの出来事ですが、お芝居のチケットを頂いたことがあり、席も前から4番目といういい席だった。
しかし、途中から私に「もう観たくない」「帰りたい」「退屈だ」「時間がもったない」等と言い出し、
わたしとしては、「あと40分ぐらいなんだから、我慢しろ。立つには席が前すぎる」と。
10分ぐらいしたら、「僕は出て待っているから~」としれっと言うのです。
実は、私もそんなに面白くなかったので、「分かったわ」と全身ですいませんと思いながら、
退出したのでした。

今は、ヒロクニさんがやばそうなものの場合は、後ろに座るように工夫しています。
劇場を出たヒロクニさんは、急にいきいきして、街の徘徊にGO!

制作は、いつもすることが一杯らしく、一日中しています。
飽きることがない。次々することがあり、時間が足らないと洩らしています。

ヒロクニさんは言う。
「僕の中には、都会的なものとフォークロアなものが同居していて、
 フォークロアな部分ももっと開発したいんだが、
 現在してみたいこともあって、忙しくて。
 小さい油絵も描いてみたいけど、こっちは絵具買う金がついていかないからなぁ」と。

しかし、ヒロクニさんが退屈してきた時の様子は、身体全部で表現してくれるから、
子供がぐずっているに近く、横にいる私はハラハラします。
なんか、椅子からダラーってなって、横むいたり、ごそごそしたり、落ち着きがまったくない。
その上、「退屈で死にたい」て顔を見る恐怖。
芸術家って、皆こんな風なのかしら?
そんな、武内画伯の絵を見て下さいね。



靖国神社に参詣に行ってきました。
ホテルから撮った夜景です。ホテルは、グランドプリンスホテル高輪。
ヒロクニさんからどこのホテルに泊まったの?と聞かれ、返事をした。
ヒロクニさんは、「そんないいホテルに泊まったのか」といい、ちょっとくやしかったみたい。
だけど、禁煙だし、ホテルに缶コーヒーも売っていないし、珈琲を飲もうと思ったら、
エスプレッソが840円もするという話をしたら、「俺にとっては苦しいホテル」と思ったのか、
「それじゃぁ、ダメだね」と納得していました。
私も、私達2人が泊まったとしたら、苦しいホテルだなと判断しています。
美しい日本庭園があって、いいホテルには違いないのですが・・・。

夜景のやや中央にある赤い塔は、東京タワーです。
東京は小雨がふっていました。









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