新緑の美しい季節がやってきました。
そんな時に、ヒロクニさんのアトリエで見つけた絵です。
ちょっとかすれたような風合いの絵で、野太い赤い線が印象的。
風が吹いているような感じが、私は好きです。
挨拶で、OKとかピースをしているような形が、ご愛嬌。
我家の庭では、柿の木に萌黄色の葉が茂り始め、つつじ(花咲かず)も、萌黄色。
季節の移り変わりに目を奪われます。
今年の4月は、寒いので、未だチューリップが咲いています。
↑背丈が低く、花びらにギザギザがあります。
↑どうも咲く時期が遅いチューリップのようで、今からです。
春が気温が低かったので、今年は、花が長持ちしているよう。
バラ咲きのチューリップも植えていましたが、全滅したようで姿形も見れませんでした。
昨年は、穴グマが、植えても、植えても、チューリップの球根を掘りあげて、
庭にいつも球根が転がってましたから、しょうがないのかもしれません。
私も重い腰を上げてマスクを作ってみました。
マスクが近所では、売っていないので作ることにしました。
リネン(麻)とガーゼ(裏に)のマスクで、夏用に。
そして、刺繡も入れてみました。
ヒロクニさんは、「マスクつくろうかなぁ?」と言うと、
「ピンクと紫の2色のマスクを作って!」と。
「その色は、ないから布を買わないと・・・。」と言うと、
「わざわざ買うこともないだろ。」と節約モードに。
「ある色で、いいわ。」と諦めたのでした。
↑作ったマスク。
紺色は、私用。花柄の刺繡をしました。
白は、ヒロクニさん。ヒロクニさんの絵のモチーフから取りました。
水色の線は、水で消えるチャコを使用しています。
ヒロクニさんは、自身の絵柄が入っているマスクを大層気に入ったようで、
「このマスクもう少し作ってくれない?」と。
「俺、このマスク、プレゼントしたい人がいるから。」と催促されることに。
ギャラリー等の挨拶で、Tシャツのデザインをされている方が、
「自分のデザインしたTシャツは、恥ずかしくてあまり着ません。」と、
話されているのを聞き、とても謙遜されているのだなぁ~と思ったことがあります。
ヒロクニさんは、私がヒロクニさんの絵からTシャツにシルクでプリントすると、
「いいねぇ~。」と言って、すぐ着て、「俺、このTシャツで街を歩きたい!」と、ノリノリ。
いつも、謙遜された方と、良人のこの違いをかみ締めてしまうのでした。
今回のマスクの絵柄でも、自分の絵だとすごく嬉しいみたいで、
自己肯定型のタイプなんだなぁ~と痛感します。
髪の毛が、ふさふさな人は、その傾向が強いらしい。
我が良人は、82歳なのに、髪は真っ白くなりかけているけれど、
フサフサで、その髪の毛を私がいつもカットしています。
そんな人の横に入るせいか、
どちらかというと自己否定型(私はだめだ、私なんて等)だったと思う私も、
「そんなことない、私にだって出切る。」と言うノリの軽い人に変化してしまって、
ビデオで、モデルさんが着ている服を購入した時も、
ショーでモデルの人が着ているのと、自分が着ているのでは、全然イメージが違い、
ビックリしたことがあるのですが、(同じ服とは思えなかった)
すかさず、そのビデオ見た後、「私だって、似合っているよねぇ~。」と周りに問いかけた。
すっかり、おばさん精神なのか、自己肯定感が強くなっている自分にビックリしたことがあります。
何か、ヒロクニさんと一緒に居て、頭のタガが緩んできているような・・・・。
話は、変わります。
コロナウイルスを抑えるべく、緊急事態に入ってから、
万葉集のある歌が、私の中で蘇ってきています。
好去好来の歌一首なのですが、山上憶良の長唄です。
■原文を紹介します。
神代より 言ひ伝て来(け)らく そらみつ 倭の国は
皇神(すめかみ)の 厳(いつく)しき国 言霊(ことたま)の 幸(さき)はふ国と
語り継ぎ 言ひ継がひけり 今の世の 人もことごと
目の前に 見たり知りたり 人さはに 満ちてはあれども
高光る 日の朝廷(みかど) 神ながら 愛での盛りに
天の下 奏(まを)したまひし 家の子と 選びたまひて
大命(オホミコト) 戴き持ちて 唐(もろこし)の 遠き境に
遣はされ 罷りいませ 海原の 辺(へ)にも沖にも
神づまり 領(うしは)きいます 諸々の 大御神たち
船の舳に 導きまをし 天地の 大御神たち
倭の 大国御魂(みたま) 久かたの 天のみ空ゆ
天翔(あまかけ)り 見渡したまひ 事終り 帰らむ日には
又更に 大御神たち 船の舳に 御手うち掛けて
墨縄を 延(は)へたるごとく 阿庭可遠志 値嘉(ちか)の崎より
大伴の 御津の浜びに 直(ただ)泊(は)てに 御船は泊てむ
障(つつ)みなく 幸くいまして 早帰りませ
↑遣唐使の図
この歌は、当時危険が伴う遣唐使が旅立つ時に、神のご加護がありますように、
そして、無事生きて生還しますようにという祈りを込めた歌なのですが、
黄色で記した部分のところに後ろ髪が引かれる思いがして、
今また、自分で作った資料を読み返しています。
■黄色の部分の意味は、
神代以来、言い伝えられたことですが、大和の国は 国つ神の威徳の
いかめしい国 言霊の 助ける国だと 語り継ぎ 言い継いできました。
いかめしい国というのは、神威厳然という感じでしょうか?
言霊は、言葉に宿る霊力。古代日本人は言霊の働きによって禍福が左右されると信じた。
とあります。
これは、万葉集の頃、奈良時代の歌ですが、
今、現在コロナと戦っている最中に思うのです。
私の周りにはいませんが、テレビを付けると、無責任な人が多く写ります。
「えっ。」と思うと同時に、
本当に不平不満とか、批判ばかりしている人達が多いのかと不安に思う。
何故か、責任をもたない人達が、「責任は?」「責任は?」と言います。
テレビで、写る人達の言うことを聞くと、いつも信じられないという感じなんです。
この言霊ということを考えると、
今は、非常時なのだからこそ、
汚い言霊を多く発してはいけないのでは?と、感じました。
古代の人の叡智を侮ってはいけないと思う次第。