師走気分も高まり、何かと忙しい季節です。
新年を迎える為に玄関の横に、葉牡丹とシクラメン、パンジーとイベリスを寄せ植えしました。
植える前の妄想時間が、楽しいです。
この小さな葉牡丹を植えることにしてから、花を選んでいきました。この葉牡丹をうまく使うが「テーマ」でしたが、
花を選んでいる内に、脳内でイメージが混乱するので、いつも「こんなもんか?」と出来上がりには、疑問状態で終えます。
「無かったことを思えば、今がいい」と変な納得をします。
新年を迎える行事として、わたしの中では、良かったという感じです。
ヒロク二さんのアトリエの壁の一部。
もう長い間貼ってあります。
立原道造 「飛行船」1927年~31年頃
ヒロク二さんは、立原道造のこの絵をずっとアトリエに、貼っています。
立原道造は、詩人で有名です。(建築家でもある)
こんな詩があります。
朝に
おまへの心が 明るい花の
ひとむれのやうに いつも
眼ざめた僕の心に はなしかける
《ひとときの朝の この澄んだ空 青い空
傷ついた 僕の心から
棘を抜いてくれたのは おまへの心の
あどけない ほほゑみだ そして
他愛もない おまへの心の おしやべりだ
ああ 風が吹いてゐる 涼しい風だ
草や 木の葉や せせらぎが
こたへるやうに ざわめいてゐる
あたらしく すべては 生れた!
霧がこぼれて かわいて行くときに
小鳥が 蝶が 昼に高く舞ひあがる
すごくロマンティストで、少し恥ずかしいくらいですが、
ヒロク二さんにも詩人の要素があるのか、
こういう感性があるのです。
もうわたしは、慣れてしまって、普通に聞いて「ああ、そう」。とか言っているのかもしれないが、
最初の頃は、
「あなた、恥ずかしくないの?」
「なんか、歯が浮く」。
「心から言っているのか疑問?」
「おちょくられている?」
「軽薄な人かな?」
と、ゲラゲラ笑っていたのです。
(自分に自信が無ないからか、酷い・・・、褒められても素直に喜べない性格?)
この続きに「堀辰雄」も好きというのが、判りました。
堀辰雄は、結核で亡くなった立原道造をモデルに書いた小説があります。
二人は、友人でもあったわけです。
立原道造は、フランスの詩人、ボードレールにも親しんでいます。
ヒロク二さんは、フランス文学をよく読んでいて、ボードレールの話を、わたしにします。
共通するものが、下地にあるようなのです。
ボードレールは、フランスの芸術家はバイブルみたいに読まれているらしく、ピカソが、密かにボードレールに耽溺していたりする書物なのです。「読書する女」というタイトルの本があったと思いますが、最後に出てきた本がボードレールの「悪の華」だったのですが、発禁書というか、冒涜的な内容に、本を読む女が、逆上して、読書する女という仕事をやめてしまうという筋書き。この本を読んだ時、フランス人って、言語が好きな国民性なんだと感心した。言葉フェチというか・・。
横道にそれましたが、フランス文学耽溺という下地とロマン主義が共通しているのです。
二匹の魚 パステル
ほのぼのしているだけでなくて、構成とかよく考えられていて面白い
信濃追分にて パステル
何か爽やかな風が吹いている感じがして、きれいな空気を吸っているような気持ちになる
詩人たちの絵 | |
窪島 誠一郎 | |
平凡社 |
この本をヒロク二さんが持っていたので、知ったのです。
一枚の絵から、文学散策、詩人への思い、フランスの芸術家へとだんだん世界は、広がります。
実は、フランスの文学は、わたしはあまり積極的に読まないので、周辺をグルグル回るだけしか能力がなくてごめんなさい。ピカソやモンパルナスの芸術家達には、もの凄い影響を与えたのが、ボードレールというのは、確かなのです。わたしには、ロマンは、無理のようです。
今年も後、残り僅か・・・。
良いお年をお迎え下さい。