遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉 199 意味するものは

2018-07-22 13:17:51 | 日記

          意味するものは(2010.4.13日作)

 

   海よ 波よ

   何もない広大な空の下(もと) おまえたちが  

   延々と繰り返す

   寄せては返し また 寄せて来る 果てしない

   その行為の裏には いったい

   どんな意味があって                                                                                 

   何が隠されているのか

   おまえたちの途切れる事のない

   力に満ちた永遠の

   その繰り返しを眼にしてといると

   わたしは

   虚無への深い感覚に囚われる

   -----

   春には新緑の芽を吹き

   夏の盛りには

   分厚い深緑で 木陰をつくり

   秋には燃え立つ紅葉で 彩り鮮やかに

   深山を覆い尽くす木々たちよ

   誰の眼にもとまる事もないその場所で

   来る年も来る年も繰り返す おまえたちの

   その行為の裏には いったい

   どんな意味があって

   何が隠されているのか

   おまえたちの限りない美しさを眼にする時

   わたしは

   切ないまでの寂寥の感覚に囚われる

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   地上高く 雲を突き抜け 刃のように

   鋭い峰峰を研ぎ澄ましながら

   常に変わる事のない雪の白さを戴き

   天空に聳え立つ

   この地球 各地に存在する無数の山々たちよ

   おまえたちが それ程までに峻厳に

   毅然とした姿でそこに屹立している事の裏には いったい

   どんな意味があって

   何が隠されているのか

   おまえたちのその姿を数々の映像で眼にする時

   わたしは

   孤高が持つ 孤独の鋭い痛みに囚われる

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   海よ 木々よ 山々よ

   おまえたちの揺ぎない

   その姿勢の前に立つ時 わたしは

   常に抱く厳かな感情と共に 謙虚な心で

   自ずと 頭を垂れている自分を

   見い出さずにはいられない