



――あのおばさん、おかしいよ。気づいていないのかな? かといって、注意するわけにもいかない。かわいそうだが、仕方ない。――
黙って見過ごす。
人の振り見て我が振り直せとばかりに、道路わきのビルのガラスに自分を映してみる。
――あ~!!!!! あわてて、形を整える。
また、マスクが傾いている。右目と左目を結んだ線とマスクの上の線の間隔が、左に行けば行くほど広がっていく。要するに曲がっているわけだ。これじゃ、さっきのおばさんと同じだ!^ ^;;
それを平行になるように修正してつけ直す。
会社に着いて、ふと鏡を見る。あっ!!!! 曲がっている。


何度直しても曲がってしまう。何で? マスクの欠陥か? と疑ってみる。それで調べてみる。おかしくない。マスクを変えても結果は同じ。
それで気がついた。顔だ。、、、、、、、、が~~~~ん!^ ^;;顔が曲がっているのだ。
ひし形なのか? いびつなのか?
聞いたことがない。顔が曲がっている、なんて。
根性が曲がっている。ヘソが曲がっている。これなら聞いたことがある。

そういえば、顔が曲がっている、というと、代表にアニキンがいる。だから、これでやっとアニキンの気持ちも解ってあげられるかもしれない^^
彼の顔パーツのそれぞれはいつもアンバランスな状態で、いつ崩れるか判らない。危険だ。近づくと、巻き添えを食うことになる。


でも、僕は勇気を持って彼に近づくのだ。
だって彼のことを友達と思っているし、彼の臭さは二時間くらい我慢すれば慣れるからね。がんばるよ。




