人の不幸は密の味。実に不快な言葉である。でも、実に痛快だという人もいる。
嫌だと広言する人の中にも、どこかそれを内包している人も多い。自分と他人を比較することによって、今の自分の位置を確認する。人間の性（さが）だろう。
今年の正月番組にも、人の不幸を取り上げたものが実に多かった。まさに証明している。
僕は、行列のできる法律相談を見ていた。
「このあとすぐ、貴理子と前夫とがご対面」
番組途中では何度も何度もこのテロップが。実は僕も、興味を持って待った一人だった。
視聴率を上げるためには人の不幸でさえ面白おかしく、番組にしてしまう。これが昨今のテレビ界。
犠牲者は当の貴理子だったが、これもお笑い芸人の宿命。ここでマジに落ち込んでいたら、この先、芸能界では生き残っていけない。
「このあとすぐ、貴理子と前夫とがご対面!!」また流れる。
が数分後、「二人の対面は次週の行列のできる法律相談で」というテロップが……。
「えっ？」
なんだったの、あのテロップは。当然、誰でもそう思うだろう。
ひどい番組!! でもこうやって騙されても、視聴者は来週また見るんだろうなと思った。
視聴者から非難ゴウゴウの電話が殺到した、と翌日のネットに書かれていた。
えげつない日本テレビ。思いは同じだ!!!!!
そんなこともすっかり忘れて今日は、普通に日本テレビの「ズームイン!!SUPER」、そして「スッキリ!!」を見て家を出た。
