田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『夕陽のギャングたち』(再見)

2018-04-01 17:06:36 | 映画いろいろ
 メキシコ革命を背景に、山賊一家の頭目フアン(ロッド・スタイガー)と元IRAの闘士ジョン(ジェームズ・コバーン)の奇妙な友情を描いたセルジオ・レオーネ監督作を再見。



 生涯に7本しか監督作を遺さなかったレオーネだが、その一本一本の中身は恐ろしく濃い。この映画も最初に見た時はその長さとテンポの遅さに閉口したが、今回は思いのほか気にせずに見られた。というより、スタイガーとコバーンの笑顔に魅せられた。

 「♪ション、ション」というスキャットが印象的なエンニオ・モリコーネの音楽。冒頭でスタイガーが立小便をするシーンがあるから、親しみを込めて「立小便の歌」などと呼んでいたが、今回「♪ション、ション」はコバーン演じるジョンの本名「ショーン」のことを歌っていることを知った。それを知った上で、あの曲が流れるシーンを見ると、とても感傷的な気分になって何だか泣けてきた。

 映画の印象は、見る年代や状況によっていかようにも変化するのだなあ。

 楽しい動画を発見↓ 「なあ花火屋」だなんて、富田耕生のロッド・スタイガー最高!
https://www.youtube.com/watch?v=y_VlGkXXHis

同じくレオーネ監督作『ウエスタン』について↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/0fdc28ff511acdc17c006cb134f5ddac
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『映画の中にある如く』(川本三郎)

2018-04-01 06:39:58 | ブックレビュー
 キネマ旬報に連載中のエッセー「映画を見ればわかること」をまとめた本の第5弾。



 自分自身の映画のディテールや脇役へのこだわりは、この人の書いたものから大きく影響を受けていると常々感じているが、最近は、書かれたものを読んで、「ちょっと違うんじゃない…」とか「ちょっと鼻につくなあ」と思うこともある。

 ところが、あとがきに「連載コラムではいつも「レファレンス(参照)」という方法を心掛けている。新しい映画を見た時に、かってあった同じテーマや同じ手法の映画を思い出す。映画史という基礎が大事になってくる」と記されていた。また、目標にすべきことができてしまった。
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