田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

【インタビュー】『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』アンソニー・ルッソ監督

2018-04-17 21:10:16 | インタビュー

 今回、監督をするに当たって、ファン目線に立ち返り、今までのシリーズを全て見直してみたという。そして、それぞれの監督による、キャラクターに対する解釈の違いが逆に面白いと気付いたらしい。その結果、キャラクターの一人一人が持ち味や個性を生かしながら、新たな相手と絡むことで、思わぬケミストリーが生まれる瞬間を楽しんだとのこと。映画は27日公開。



https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1147470

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タビアーニ兄弟の映画 その2『サン★ロレンツォの夜』

2018-04-17 09:26:48 | 映画いろいろ
『サン★ロレンツォの夜』83.6.21.(初見の際のメモを)



 こういう映画のことを珠玉の名編と言うのだろう。一人の少女の目(成人した少女の回想)から見た戦争の実態、と言っても『禁じられた遊び』(52)ほど悲しくはない。それは『父パードレ・パドローネ』同様、ユーモアと残酷さを同居させるという演出の中から、戦争の愚かしさ、空しさ、滑稽さを浮かび上がらせているからだ。

 第二次大戦末期、ドイツ軍の撤退によって村を追われた人々。最初、少女の目には夜間遠足か、ちょっとした冒険のように映る。中には、家の束縛から逃れ、新しい生活が始められると喜ぶ女もいる。だが、やがて彼女たちも戦争のむごさを身をもって知ることになる。そして仲間の何人かが死に、何人かが生き残る。それぞれの村人が存在感を持って描かれ、一人の少女が語る物語が、やがて集団のそれへと変化していく。

 描かれた時代や背景の類似ということもあるが、同じくイタリアのベルナルド・ベルトルッチ監督の『1900年』(76)同様、民衆のたくましさ、戦争終結後の喜びと虚脱の描写が見事であった。

 ラストは、今では成人したかつての少女が、自分の娘に過去の体験を寝物語で話しているシーン、つまりファーストシーンに戻ってくる。開け放たれた小窓から見える夜空の美しさが心に残る。この美しい空の下で、再び悲劇を起こさぬように、という願いを込めたような、これまた見事なラストシーンであった。

 うん。確かにこれは好きな映画だった。
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タビアーニ兄弟の映画 その1『父パードレ・パドローネ』

2018-04-17 09:14:33 | 映画いろいろ
 昨日インタビューしたアンソニー・ルッソは、弟のジョンと共同で映画を撮る、いわゆる兄弟監督である。コーエン、ダルデンヌ、ウォシャウスキー、ファレリー…、今でこそ兄弟監督はたくさんいるが、その嚆矢はイタリアのタビアーニ兄弟ではあるまいか。その兄弟の兄ビットリオが亡くなった。彼らの映画の公開は1980年代のミニシアターブームと重なる。ある意味、そうした時代の波が日本と彼らの映画を結び付けたと言ってもいいだろう。

 サルデーニャ島の羊飼いの父子の葛藤を描いた『父パードレ・パドローネ』は77年の映画だが、日本での公開は82年。第二次大戦末期のトスカーナ地方を舞台に、ドイツ軍の撤退によって村を追われた人々の姿を描いた『サン★ロレンツォの夜』と同時期に公開され、こちらは名画座(大井武蔵野館)の二本立てで見た。



『父パードレ・パドローネ』83.6.21.(初見の際のメモを)

 最初は、単なる父子もので、厳格な父親から独立していく息子の自我の確立を描いただけの映画かと思っていたら、これが大間違い。イタリアの片田舎の風土や自然をベースに、残酷、エゴ、ユーモア、愛といった人間が持つ根源的な心情を浮かび上がらせるような映画だった。

 結局、この父と子の仲は最後までしっくりしないのだが、陰惨なイメージは浮かんでこない。それどころか、妙な温かさを感じてしまったのは何故なのだろう。

 この映画の父親は、日本の古いタイプの親父のように、威張るだけ威張って、決して自分が悪いとは認めない。気に食わなければ平気で子供を殴る。そのくせ妙に情にもろい。子供にとってはやっかい極まりない存在なのだが、その反面、親父が強いというのは息子にとってはうれしいことでもあるわけで…。それが、子供が大きくなるに連れて、強かった父親の弱さや老いを見るようになるのは寂しいことでもある。イタリアという国は何となくその辺りの心情が日本と似ているのかもしれない。

 そういえば、ピエトロ・ジェルミの『鉄道員』(56)もそんな映画だったなあ。それにしても日本にこういう頑固親父がいなくなったのはいいことなのか悪いことなのか、などと思ってしまった。

 うーん、今から35年前はこんなふうに考えていたのか。
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