田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『サイコ』

2020-06-03 06:36:47 | 映画いろいろ

『サイコ』(60)(1975.9.5.ゴールデン洋画劇場)

 経済的に困窮した恋人(ジョン・ギャビン)のために、会社の金を横領したマリオン(ジャネット・リー)は、どしゃ降りの雨の夜、さびれたモーテルにたどり着く。そこで彼女は、モーテルのオーナーのノーマン・ベイツ(アンソニー・パーキンス)と出会うが…。

 初めて見たのは中学生の頃。映画評論家の誰かが「『サイコ』は最高!」としゃれで言っていたが、なるほどその通りかもしれないと思った。バーナード・ハーマンの音楽は、いつ聴いても神経を逆なでされるような気分になる。

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『翼よ!あれが巴里の灯だ』

2020-06-03 06:29:09 | 1950年代小型パンフレット

『翼よ!あれが巴里の灯だ』(57)(1997.7.6.)



 ロバート・ミッチャムとジェームズ・スチュワートが相次いで亡くなった。ミッチャムはなかったが、さすがにスチュワートの方は、追悼映画が放映された。チャールズ・リンドバーグのニューヨークからパリへの無着陸飛行の様子を描いたこの映画を改めて見ると、ビリー・ワイルダー監督の回想シーンの織り込み方や小道具の使い方のうまさが再確認できる。

 また、ほとんどが飛行機内のコクピットで展開する、いわば一人芝居の密室劇のため、スチュワートの魅力も十分に堪能することができる。追悼映画としてはいい選択だったのではないか。

 ジェームズ・スチュワートについては、和田誠さんの『お楽しみはこれからだ』シリーズなどで、彼について書かれたものを読み、以後、意識的に彼の映画を見るようになったのだが、どの映画を見ても、植え付けられたイメージが損なわれることはなかった。言い換えるなら、どんな役柄の演技を見ても、いい意味で、全てが“ジェームズ・スチュワート”だったのである。

 清く、正しく、美しく…、今や死語となったそんな表現が嫌味なくはまる人であり、名優とか二枚目といった枠を超越した不思議な存在の人でもあった。そして、誰も彼のまねはできないことを考えると、笠智衆同様、無個性を個性に変えた、希有な俳優だったとも思うのだ。



ジェームズ・スチュワートのプロフィール↓


ビリー・ワイルダーのプロフィール↓

パンフレット(66・東宝事業課(ニュー東宝 No66-5.))の主な内容は
解説/物語/ジェームス・スチュアート/ビリー・ワイルダー/航空映画の歴史的名作としての「翼よ!あれが巴里の灯だ」(岡俊雄)/チャールズ・リンドバーグ

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