田中雄二の「映画の王様」

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白井・具志堅スポーツジムが閉鎖 『クリード 炎の宿敵』

2020-06-10 14:00:02 | ボクシング

 ボクシングの元WBA世界ライトフライ級王者で13度の世界王座連続防衛の日本記録を持つ具志堅用高が会長を務める白井・具志堅スポーツジムが、7月末でジムを閉鎖すると発表した。

 この場合も、名選手名監督にあらずということになるのだろうか。過日『クリード 炎の宿敵』についてインタビューした際は、「僕もロッキーのようなトレーナーになりたい」と語っていたのだが…。

【インタビュー】『クリード 炎の宿敵』具志堅用高
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1181287

『クリード 炎の宿敵』具志堅用高にインタビュー
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/dc33565971286df0c902e3faa1946f6d

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『グロリア』(80)

2020-06-10 09:00:07 | 映画いろいろ

『グロリア』(80)(1981.6.22.蒲田パレス座.併映は『チャンス』)

 不思議な絵を背景に、奇妙な音楽が流れる中でタイトルが出た後、カメラがニューヨークの夜景をなめていく。やがて夜明けを迎えると、カメラは、バスを降り、ボロアパートの一室に入っていく女を捉える。この女がひどく慌てている様子で、最初から何か不穏なことが起こっている様子が伝わってくる。

 この映画は、こんな魅力的なシーンから始まる。やがて、この女=グロリア(ジーナ・ローランズ)と、組織に家族を惨殺されたプエルトリコ系の少年との逃避行が始まり、タクシーや地下鉄などを駆使した、見事な追っ掛け劇が展開していく。

 とにかく、この2人の関係性がユニークだ。最初は互いにいがみ合っていたのだが、やがて離れられなくなる。そんな2人が、時には母と子のようであり、親分と子分のようでもあり、恋人同士のようにも見えるのである。

 グロリアという、世間から放り出されたようなやさぐれた女と、組織に家族を殺された移民の少年という、アメリカ、それもニューヨークならではのキャラクターも面白い。

 とにかく、ローランズが素晴らしい。この映画の宣伝文句じゃないが、とにかくタフで強くてセクシーで、そのくせ優しいのである。目玉焼き一つ満足に焼けず、くわえたばこで、街中で拳銃をぶっ放す。およそ女性離れしたキャラクターを見事に演じ切っていた。

 監督はローランズの夫でもあるジョン・カサベテス。本国では俳優としてよりも、むしろ監督としての評価の方が高いようだが、残念ながら日本ではそのほとんどが公開されていない。

 この映画のキャラクター設定やニューヨークロケの見事さはもちろん、ラストに伏線を持たせる墓でのエピソードなどディテールもお見事。なるほど本国での評判は伊達じゃない、と納得させられた。

【今の一言】この映画を、あの社会派シドニー・ルメットが、シャロン・ストーン主演でリメーク(99)したのだが、あまり意味がなかった気がする。むしろ、リメークではないが、リュック・ベッソンの『レオン』(94)の方がこの映画の血を引いていると思う。

 

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『暗殺者の家』『知りすぎていた男』

2020-06-10 06:05:47 | 映画いろいろ

『暗殺者の家』(34)(1992.9.27.)『知りすぎていた男』(56)(1984.3.15.有楽町シネマⅡ)



 『暗殺者の家』は、後年『知りすぎていた男』としてリメークされた、ヒッチコックのイギリス時代の映画だが、この映画あたりが、ヒッチコックタッチと呼ばれるものの始まりだと言えるのかもしれない。

 なぜなら、一般人巻き込まれ型(ここでは珍しく個人ではなく家族だが)と、ストーリーに多重構造を持たせるパターン(ここでは縦糸が暗殺、横糸が誘拐)のどちらもが、後年の諸作につながるからである。

 ただし、このオリジナルの方が『知りすぎていた男』よりも出来がいいという見方には疑問が残る。

 ヒッチコック研究家の一人ドナルド・スポトーの「最初の版は才能のあるアマチュアの仕事であり、2本目は力の備わった専門家の仕事である」という意見に賛成する。

 何より、リメークしたのは、ヒッチコックが最初のものに満足できなかったという証拠ではないのか。

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