田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

東国三社バスツアー 『天保水滸伝』 『日本誕生』

2015-01-04 15:54:08 | 雄二旅日記

 東国三社(香取神宮、息栖神社、鹿島神宮)を巡るバスツアーに参加し、開運祈願。

 バスの車窓から、巨大な利根川の奥に筑波山が見えた。


 さて、三社そのものを舞台にした映画はないと思われるが、浪曲や講談で有名な『天保水滸伝』は、天保時代の千葉県の東総地域を舞台にした、二人の侠客(笹川繁蔵、飯岡助五郎)の勢力争いを描いた物語。利根川を挟んで行われた「大利根河原の決闘」が有名だ。

 

 『天保水滸伝』はたびたび映画でも描かれているが、中でも、三隅研次監督の『座頭市物語』(62)、山本薩夫監督の『天保水滸伝 大原幽学』(76)が印象に残っている。

 前者では、笹川方に助っ人として参加し、闘死した侠客・平手造酒(天知茂)を座頭市(勝新太郎)と絡ませ、後者では、農政学者の大原幽学(平幹二朗)と平手(高橋悦史)を絡ませた。どちらも飯岡助五郎と笹川繁蔵は脇役で、フィクションも交えた外伝的な視点がユニークだった。



 さて、神社といえば、テレビで「古事記の世界~CGアニメでひも解く日本誕生の物語」を興味深く見た。

 「国生み」「黄泉の国」「天の岩屋」「八俣の大蛇」「根の堅州国」「国譲り」の全6話。古事記の物語は謎が多いが、漫画家の里中満智子と立正大の三浦佑之教授の“推理”がなかなか面白かった。

 「古事記」の世界を描いた映画は、東宝製作千本目の記念作品でオールスターキャストの『日本誕生』(59)がある。見直してみようかな。

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『いそぎんちゃく』『続・いそぎんちゃく』

2015-01-04 14:40:36 | 映画いろいろ



 肉体を武器に、次々に男を代えながらしたたかに生きていくヒロイン浜子の姿を描く、渥美マリ主演の“軟体動物シリーズ”第一作の『いそぎんちゃく』『続・いそぎんちゃく』をチャンネルNECOで見る。

 今から見ると、皮肉な味わいを持った悲喜劇の中に、1960年代後半(昭和40年代前半)の世相が浮き彫りになってくる面白さがある。昭和にはモノクロ画面が良く似合うとあらためて感じさせられた。

 続編も、渥美演じるヒロインの名は同じく浜子だが、前作とのつながりはなく、浜子はガソリンスタンドの店員、偽宗教の教祖、モデル、歌手と変転していく。この強引な展開がプログラムピクチャーの真骨頂。

 正続ともに似たような役で登場し、浜子に翻弄される高原騒雄、早川雄三、平泉成、正編の牟田悌三、加藤嘉、大辻伺郎、続編の有島一郎、森川信、田中邦衛、浜村純と、男優陣も愉快な演技を見せる。

 渥美マリという女優は、当時小学生だった自分にとって、川崎あかねや笠原玲子、八並映子らと共に、「ガメラ」や「妖怪」シリーズにも出ていたちょっとエッチな感じのするお姉さんという印象だった。街に貼られたポスターを見てドキドキした覚えがある。直後に倒産した大映の“断末魔女優”たちは、今も健在だろうか。

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