長い冬の寒さを抜け出て、春の日をほんの少し感じ始めた頃、
一枚の葉書きが我が家に届きました。
私が中学生の頃の理科の先生が亡くなられたという
訃報の葉書きでした。
先生には、中学を卒業してからもずっと年賀状を出してきましたが、
きっとその年賀状を見て、私にもお知らせ下さったのだと思います。
息子さんであろう差し出し人の名前、
すでに親族だけで葬儀も終えられたとの文面、
え。。先生が亡くなられたんだ。。。とびっくりするとともに、
急に先生の事が懐かしく思い出されました。
当時の先生は、背が高くて、浅黒くて、すっごく男らしい
素敵な理科の先生。
中学校の女の子の生徒達は、みんな大ファンで、
結婚されたばかりの先生を、きらきらした瞳でみていました。
スポーツマンタイプで、厳しい時は厳しく
でも、時々、突然面白い事を言ったりする先生は
男の子たちにも人気の先生。
当時私は生徒会の役をしていたのですが、
先輩達といっしょに、生徒会の顧問だった先生を囲んで、
色々な話をしました。
生徒会の話だけじゃなくて。。
いや。。。それ以外の話の方が多かったかな。
気がつけばいつも、教室の窓から見る夕暮れの空が
オレンジ色に染まっていた事を懐かしく思い出します。
実は、私が理科が好きになったのは、先生のおかげなんですよ。
先生が説明すると、ややこしい化学反応式の係数が
まるで魔法の様にすらっと分かって。。
すご~いと思った瞬間、理科が好きになったように思います。
皆が大嫌いだという亀の甲の化学式も、
パズルみたいに解くのが面白くて。。
うそ~っ信じられない。。て友達には言われましたけど。。
そんな話や、今の私の事や、
もうすぐ二人目の孫が生まれる事などを綴って、
先日、先生の息子さん宛に手紙を送りました。
本当は、先生に直接話したかったな~。
もうすぐ私も還暦なので、還暦になったら友達と一緒に
先生に会いに行きたいねなんて言っていたのに。。。
もう後数年お元気でいて下さったら。。と思うと残念でたまりません。
今は、お仏壇の上に添えられた昔の教え子からの手紙を、
にこにこと笑いながら読んで下さっている先生を想像しながら、
先生の御冥福をお祈りしたいと思っています。