Гおしまいなさいまし」
「皆様おしまいなさいまし」
「おしまいなさいまし」は私の故郷静岡県東部根方街道近辺の方言です。
英語のGOOD EVENINGと同じ感覚で、夜の会合等での挨拶にも使われます。
余所のお宅へ訪問する時にも「今晩は」のように「おしまいなさいまし」と言います。
私の好きな「おしまいなさいまし」は、年長者が野良仕事をしている嫁っ子や、婿ドンに掛ける労いのГおしまいなさいまし」です。
現代日本の職場でマニュアルみたいに使われているГお疲れ様」とは全く違って、夕暮れの畑で掛けられる「おしまいなさいまし」は、思いやりのこもったねぎらいの言葉なのです。
新嫁っ子や、婿ドンは余所の家の年長者の「おしまいなさいまし」の一言で今日の野良仕事を終えることが出来るのです。
もう仕事をおしまいなさいまし。
秋の夕暮れ、日が短くなって来ると、(ショイカゴ)背負い籠をしょった腰の曲がったお婆さんがまだ野良仕事をしている(オトコシ)婿ドンや(オンナシ)嫁っ子に声を掛けながら歩いて行く影絵のような姿を思い出します。