涙眼が止まらない!
今から丁度半世紀前のことです。
希望高の合格発表の日、制服を注文する為に沼津市内の大型店に入った時に、
前年母校から転勤なさった中学時代の恩師の奥様が、
止めどなく流れる涙をハンカチで拭きながら店内を歩く私を、
店の何処かで見かけたようです……
が、
『ひょっとして、不合格だったのでは』 と人前で声を掛けるのを憚って、私のことを案じながら帰宅。
直ぐに当時まだ地方新聞に掲載されていた合格者名簿を確認して、私の名前を見つけて御夫婦二人で安堵なさったそうです。
この話は、その時から8年後、私が高校教師になって、市内の中学校の校長先生たちとの会合の時に、別の大きな中学校の校長先生になっていらした恩師から
直接お伺いして、大変に有り難く感動した話です。
先生も奥様もまさか私が、当時は未だそんなに大きな問題になっていなかった
『花粉症』に悩まされていて、かゆくて、涙が止まらなくて、眼が真っ赤に腫れて困っているなんて、思ってもいなかったことと思います。
中学二年生の時に父親が急逝したので、お金の掛かる、私立校に併願しないで、県立高校一本に絞って受験しました。
もし不合格だったら、花粉症でなくても、真っ赤に泣きはらした涙眼で過ごしたことと思います。
おばあさんになったと言うのに、今だに春先には、鼻水、くしゃみ、涙の三汁に悩まされています。
五十年前と違って現在では花粉症に悩む人々が増えました。
私の息子たちもかなり酷い花粉症です。
そんなことは似なくても良いのにと思います。が
花粉症の認知度も上がりましたので、息子たちが涙眼で泣きはらした赤い眼をしていても、
何か悲しいことがあったのだろうとか、案じてくれる人は誰もいないようですね…