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大英帝国が担保◆ディズレイリの決断◆ただの島国か、世界制覇か。

2010-10-21 21:05:14 | 日記
昨日、卒論の相談対応をした学生さんは
「イギリス史」がテーマでした。
そこからインスパイアで書いてみます。


イギリス近代史にでてくる政治家で
ディズレイリほど大胆な男はいません。


まずは引用から


◆その担保は『大英帝国』!


※※※※※※※※※

1875年、ロスチャイルド家に食事に招かれていたディズレイリは、エジプトの副王がスエズ運河の売却をフランスに打診したが、フランス側の返事がまだだとの情報を聞きつける。

ディズレイリは絶好のチャンスとばかりに即座に買収を決め、閣議を開いてこれを決定した。総額は400万ポンドである。


ところがこのとき、議会は休会中でその承認が得られない。困ったディズレイリはロスチャイルドに緊急融資を打診し、承認を得た。

ちなみにそのときの担保は「大英帝国」と、ディズレイリは答えたという。

※※※※※※※※※
小林章夫 「イギリス名宰相物語」講談社現代新書 1999年より


ディズレイリはヴィクトリア女王時代の首相でした。

大英帝国を担保にして買収したスエズ運河こそ、アフリカ南端を迂回せずにインド洋を押えられる植民地政策上の重要ポイントであり、イギリスの覇権を磐石にしたのです。

つまり「国」を担保にして「世界」を買ったのだ、ともいえますよね。



◆大きなチャンスを掴んだ情報源


ディズレイリに買収を決断させた情報は、ロスチャイルド家の食事の席からでした。

ロスチャイルド家とディズレイリの個人的な交友が
一次情報のチャンスを呼び込みました。


今週火曜日のブログでテーマにした「情報の出所に注意」
ということに関連して考えてみると

ロスチャイルド家並みの信頼すべき情報源を持つことも
時には必要なのかもしれません。


◆日頃の付き合い


「食事に招かれる間柄」というのは
「信頼関係がある間柄」ということでもあります。


家族や親戚と違う、まったくの他人同士で
「信頼関係」を構築するのはとても時間がかかるものです。


時間もかかれば手間もかかる。時にはムダな事も多く発生します。
それだけの努力をしても、なお信頼関係は家族や親戚を
超えるものではありません。


それで他人との付き合いというのは

・「信頼関係」を結ぶ必要がある人と
・「信頼関係」を結ばずに、他人として接する人

を判断して選り分けることも現実的な手段なのかもしれません。



◆ただの島国で終わるか、世界の覇者となるか。


「誰からも嫌われないようにしたい」
といってすべての関係をまともに
維持しようとすると、結局は人も国も

ただの小さな島国

で終わってしまうようです。


就職活動でも、仕事でも、人間関係でも、国際政治でも


ただの島国で終わるか
世界の覇者になるのか

できるだけスケールの大きな理想を持っていきたいと
思いませんか★


ではまた



3 コメント

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ディズレイリに関する補足 (tarebon)
2010-10-22 07:42:02
ディズレイリはユダヤ系の首相でした。そこから歴史関係の本で「同じユダヤ系のロスチャイルド家とつながっていた」という説明もあります。

しかし、「共通項があれば個人がすぐ親しくなれる」というほど人間関係は単純ではないでしょう。

ディズレイリの首相としての資質、信念がロスチャイルド家をして「個人的な信頼」を認めさせたのではないか、というのが私の見解ですよ。
返信する
Unknown (pitt)
2020-05-20 12:58:36
それって幾らですか?
今で言うとどれくらいの価値ですか?
返信する
Unknown (tarebon)
2020-05-23 08:27:40
コメントありがとうございます( *・ω・)ノ
「400万ポンドは今の価格でいくらくらいなのか?」という意味のご質問と理解して、調べてみました。
【当時の1ポンドの価値】
当時の英国の1ポンドは現在の日本円で約6万~8万円という説から計算すると、400万ポンドは約2400億円~3200億円になります。

たしかに大きな金額ですが、ひとつの国家(大英帝国)を担保にするにはちょっと安い金額(?)に思いますので別のリサーチをしますね。

【国家予算の8%】
当時の400万ポンドは大英帝国の国家予算のおよそ8%にあたる金額であったため、その支出には国会での承認が必要とされていた、という説です。

これを現在の日本で考えると
日本の国家予算が約100兆円ですから8%なら8兆円なので
そのレベルの金額を首相が「自国国家を担保に資本家から借り受けた」というイメージになるかと思います。
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