「臨時ニュースを申し上げます。帝国陸海軍部発表・「帝国陸海軍は本日未明東太平洋上において米英陸海軍と戦闘状態に入れり」
オソマツ君は子供の頃ラジオから流された上の放送を何度も聞いた記憶がある。5歳のときである。其れまでに中国での戦争ニュースをきいていたので、大砲を打ち合うけんかのことと、理解していた。
その後少年雑誌で大きな戦艦が描かれその近くに水柱が立った絵がよくみられるようになった。
その後、間もなく県北部でも空襲があるようになり
竹藪の下に掘られた「防空壕に子供だけで入れられ、1本の蝋燭の火を囲んで朝を待った記憶がよみがえる。
大人たちはバケツに水を汲みたくさん並べて(当時は水道もなく、掘り抜き井戸からポンプでガチャガチャ水を汲んでいた)、もし焼夷弾が落ちて家が燃え始めたら初期消火に備えていた。
夏の穴の中には蚊が多く、体中喰われて痒くなった記憶がある。
それから数か月後、近くの飛行場が爆撃を受けた時や名古屋城が炎上したときの記憶もはっきりと残っている。
それなのにNHKのニュースでも新聞でも第二次世界大戦勃発についてあまりふれていないのに強烈な違和感を持っている。
日本人は忘れやすいのか、若い人たちは知らないので触れたくないのか、
歴史や政治についてじっくりと考えることが嫌いなのか、はなはだ心もとない。オソマツ君は、
今日にちなんで、「文春新書「大人のための昭和史入門」を読み始めた。
最低限どういう状況で誰の判断で真珠湾攻撃を行ったのかとおもって。2.26事件や5.15事件など、不吉な事件は多発していたが、
政治はそこで、適格な判断が出来なかったきらいがある。
エリート軍人がテロに走った病理を政治は正しく処理できず、禍根を残したまま放置し、傷を深めた。日本人はどうも、大局的観点で判断し世界の動向が理解できず、
すぐに派閥をつくり派閥の論理に溺れる傾向が強いようだ。
今年の冬は昭和史に夢中になりそうだ。(T)