数年まえまでは、年の暮と新年の区別がとてもはっきりしていた。年の暮には慌ただしさがあり、新年に入ってからは、ゆったりさが感じられたからだ。
私は年の暮の大掃除が割合好きだった。其れで12月に入ると早々と計画を立て暖かい日は外回り、寒い日は家の中のストーブのそばでと気温や天気に合わせて、いろいろ区別しながら行っていた。
我が家は築100年と40年くらいの二つの家が庭を囲むようにして、建っている。ガラス戸が多く両方合わせてガラス掃除は5日以上かけていた。12月上旬から始めるので新年になる前に汚れてしまうこともあり二度拭いたこともある。南側のガラス戸を拭いていると暖かい日などはポカポカとして本当に気持ちが良かった。そのうえ拭き終わったガラスを眺めると実に綺麗になっていて、達成感を味わうこともできた。
風のない日の外掃除も楽しかった。落ち葉を集めて果樹の根元に敷いたり、堆肥を作るための場所へ運んだり、そのほかに細い樹木の枝を切ったりなど、自分でもできた。ミカン・プラム・柿・キイウイなど、果樹が多かったので実がなることを思い浮かべながらするのも本当に充実した時間だった。
それが、病気や加齢による体力の衰え、気力の減退などから、今では叶わぬ夢となってしまった。毎日の変化が無くなってしまったのである。
先日も主人と昨年の年末年始はどのように過ごしたかと云うはなしになり、何も思いだせなかった。特別印象に残らない平凡な日々であったということであろう。
今年は昨日予想外のことが起きた。息子夫婦から新年用のフラワー・アレンジメントが届いたのだ。部屋の隅に置いたら殺風景な部屋が少しは新年らしくなった。(E)
新年用のフラワーアレンジメント