昨日の夜、テレビ東京のビジネスオンデマンドでガイアの夜明けを見ていました。
経営不振で売られていた京都の老舗料理旅館を
外食ビジネスを手掛けている企業が買収し、
立て直していく過程が放映されていました。
その料理旅館、とにかく設備は古く、出されていた料理も普通で、
お客様に見向きもされないところまで落ちていたのです。
京都は観光客が激増していますが、宿泊施設は不足しています。
それでも、やはり価値を感じられない宿泊施設にはお客様は来ない。
その老舗料理旅館の料理長が、大阪のミシュラン三ツ星の和食店で修業するというシーン。
修業を4か月させてもらって、最終のテストがおこなわれたのですが、
正直、料理長の料理が非常に美しくなく、基本が守られていなかった。
料理の彩りを潰すような盛り付け。
更に分離したゴマみそを湯豆腐にかけるというミス。
修業を受け入れていた和食屋さんの料理長が、
テストを中止し、部屋に籠っていたところをインタビュアーが訪れた際に
「彼は何のために料理をつくってるねんやろ?」
「僕はもう簡単なんです。
うちの店においでいただいたお客様に喜んでいただく。
その一点でやっている」
「彼には、今の彼には、きっとお客様の姿は見えていないと思う」
と、もう感動する言葉を発しておられました。
その和食屋さん、お客様に最高の香りを楽しんでいただくために、
例えば一番出汁を取ったらすぐに蓋をして氷水で冷やす。
また料理をつくってから、お客様の目の前に出るまでにタイムラグがある訳です。
その時間の間に料理の温度が冷めることも考えて、例えば餡をアツアツの状態でかける、など、
とにかくお客様がどういう状態で口の中に入れられるのかまで、徹底的に考えておられる訳です。
お客様のことをそこまで考えるのか、というレベルで仕事されている。
お客様への愛や感謝の気持ち。
これぞプロフェッショナルです。
一方、我々住宅業界はこうした料理店さんよりも、もっと高額なものを扱っています。
お客様は命を担保に家を建てられます。
でもプロのレベルで、お客様のことをトコトン考えて家づくりに取り組めている会社は、
私はまだまだ少ないと思っています。
そもそも、お客様にどういう暮らしをしていただきたいか?
お子様がどういう風に成長して欲しいのか?
仕事で疲れて帰ってきた奥様に少しでもホッとする時間と空間をご提供したい。
などなど、お客様にどうなってもらいたいのかを考えて
日々の仕事に取り組んでいるスタッフさんは、
皆さんの会社の中に何人くらいおられるでしょう?
私は、やはり自社で家を建てて下さったお客様に、充実した毎日を過ごしていただきたいです。
作業しやすい、しかもデザイン的に大好きなキッチンで料理をすると、
やっぱり奥様の気分が全然変わるので、毎日のご飯が絶対に美味しくなります。
そして居心地の良いダイニングで、美味しいご飯を食べると、
食事の時の会話の量が全然増えるのです。
親が子どもの前でどんな行動を取り、どんな言葉を聞かせているかで、
子どもさんの人格が決まってきます。
だから家族が幸せに生きていく上で、
「どんな家で暮らすのか?」ということは本当に重要なのです。
家を建てて、そこに住まれたお客様の未来の暮らし。
予算はどのお客様にも上限がありますが、
お客様が払っていける範囲で、どんな暮らしを過ごしていただきたいか、
イメージを持って提案が出来ているでしょうか?
プロのレベルで仕事が出来ているでしょうか?