北海道に行った際、真狩村というところにあるパン屋さん、
ブーランジェリー・ジンさんに行ってきました。
真狩村というと、札幌からも遠く、ニセコからも車で30分以上かかります。
その真狩村の中心部とは程遠い道沿いにあるパン屋さんなのですが、
とにかく美味しいと評判でしたので、ニセコに宿泊した翌日、
朝から車を飛ばしていってきました。
朝10時にオープンとのことですが、夕方にはパンは完売しているとのことで、
朝一番で行こうと、9時40分にお店に到着しました。
しかしながら、私たちの前に既にお客様が二組並んでおりました。
お店自体の外観デザイン、敷地から醸し出される世界観も素敵。
もうオープンが待ち遠しく、ワクワクしながら開店を待っていました。
お店がオープンすると、お客様は一組ずつ店内に案内されます。
次のお客様はお店の外で待っていなくてはなりません。
でも、建物の外に居ても小麦やバターの何とも言えない、豊かな香りに
心は満たされ、自分の順番が来るまで全然苦ではありません。
しかもお店から出てくる方、皆笑顔なので、それを見ているだけでも微笑ましいですね。
で、私たちもお店に入らせていただき、パンを買わせていただきましたが、
買ってすぐに車の中で食べた、焼き立てクロワッサンの美味しかったこと。
もう笑いが止まりませんでした。
そんなブーランジェリー・ジンさんのお店を設計されたのは、
東京の建築家である中村好文さん。
設計料の半分をパンで支払ってもらうという、
何とも面白い形でこの素敵なお店が完成したそうですが、
この素敵なお店が出来上がるまでの、ジンさんと中村さんのお手紙のやり取りが
実は一冊の本になっております。
ジンさんを出た後、家内からそのことを教えてもらって、秒でアマゾンで発注。
北海道から帰って来てすぐに読ませていただきましたが、
もうこの本の中でのジンさんのオーナー、神幸紀さんと建築家の中村さんの手紙のやり取りで
使われている言葉が美しく、また本当に知的で胸がジーンと熱くなり、
何とも言えない、ほっこりとした気持ちになりました。
今まで読んだ、どんな作家さんの言葉よりも、言葉が美しいのです。
と同時に、自分の語彙力の低さや知識の少なさを痛烈に感じ、
もっと学ばないと、と改めて思えました。
この本を読むと、思わず中村好文さんに設計の依頼をしたくなってしまいますし、
ブーランジェリージンさんにパンを買いに行きたくなるでしょう。
人間力の高い人の、心のこもった直筆の手紙は、
とてつもないパワーを持っていると改めて実感しました。
そのタイトルは、「パン屋の手紙」。
オススメです。