鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第2797回】 働き方改革を議論する上で知っておくべきこと

2018年08月27日 | 住宅コンサルタントとして

働き方改革の話をする前に、欧米の先進国と日本の差を知った上で議論すべきではないか、

と個人的に思います。

 

昨年の夏にスイスに行ってビックリしたのが、日曜日はレストラン以外、

ほぼ全てのお店が閉まっているということ。

 

海外では普通に日曜日もやっている高級ブランドのお店までも閉まっていますし、

もちろんスーパーマーケットも閉まっている。

 

日曜日は教会に行ったり、家族でゆっくりと過ごすのがスイス流らしく、

しっかりと休みを取っている感じがしました。

 

そしてドイツも日曜日はほとんどのお店が閉まっているということを知って

ドイツもスイスも同じドイツ語圏だし、非常に文化が似通っているんだろうと感じました。

 

ドイツやスイス、デンマークなどヨーロッパの先進国の人たちの

ワークライフバランスが素晴らしい、と私も思っておりました。

 

しかしながら、ここ最近、いろんな文献を読んでいると、

いやいや、スイスやドイツと日本は違うぞ、ということが非常によくわかってきました。

 

 

スイスやドイツでは、例えば空港で入国審査を通過するのに、

平気で1時間でも2時間でも待たせます。

スーパーでもレジにお客様が何十人並んでいようが、待たせることを何とも思わない。

 

宅配などもなかなか届かないとか、電車やバスが遅れることなんて、しょっちゅうあるそうです。

 

でも、お客様はそれでいちいち怒ったりはしないのです。

 

その理由は、自分が休む権利を行使するからこそ、他人が休んでいることに理解を示すから。

 

一方、日本の場合はどんなに安いお買い物をするのにも、

欧米で言うと最高級のサービスがついてきている感じだそうです。

 

「お客様は神様です」という言葉の通り、お客様のことが最優先。

売り手側は自分を犠牲にして、お客様の全ての要求に応えようとする文化。

 

お店がどれだけ混んでいようが、店員さんを呼んでも来なければ、すぐに文句をいう人や、

電車が遅れると駅員さんに詰め寄る人。

 

お客様として便利さ、快適さを求めるからこそ、売り手側が多くの人を配置する。

すなわち必然的に従業員一人あたりの労働に負荷がかかるのが日本。

 

そういう価値観がある前提で考えますと、

労働時間の短縮を求めるのなら、

ユーザー側として売り手側に求める対応のレベルも下がって、

はじめて労働時間の短縮が可能になるということです。

 

労働時間を短くした上に、サービスレベルを下げない、ということは

実は結構矛盾しているような気がします。

 

日本とスイスやドイツ。

どっちが優れているとかそういう問題ではなく、

労働時間が短く、休みが充実している欧米では、

お客様が結構我慢しているということを知っておくべきだと思います。

 

ちなみに私、日本と欧米の働き方を比較した場合、

日本の方が好きです。

 

だから自分がお客様の時にとてもリラックスしたい。

レストランのスタッフさんとかに気がついてもらいたいと思うタイプなので、

自分が働く側に立った際にもお客様にたくさんのサービスを提供させていただきたい、

と思っております。

 

皆さんはどちらの方が好きですか?

コメント
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