鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第2778回】 本当の意味で分析・検証ができているか?

2018年08月08日 | 住宅コンサルタントとして

企業の規模が小さい間は、社内、それからお客様との間で起こっている全てのことを

トップ自らが肌感覚で把握できます。

 

トップ自ら感じたことをベースに勘を働かせ、さまざまなことを変えていく。

そして市場や顧客の変化に適応していくことは可能となるでしょう。

 

しかしながら、組織が大きくなっていくと、全てをトップが肌感覚で分からなくなってきます。

 

ですから、いろんなことをデータで数値化し、分析をおこない、

社内の現状を把握してさまざまな経営判断をすることが重要になってきます。

 

しかしながら、いろんなことをデータ化しても、

データを把握して終わってしまっている経営陣も実はそれなりに多いような気がします。

 

例えば住宅会社の場合、契約時粗利、実行予算での粗利、竣工後粗利の3つの視点で

粗利益の推移を見ていかなくてはなりません。

 

そんな中、竣工後粗利益が大きく下がっている現場があったとします。

 

その現場をピックアップし、粗利低下の要因を抽出する。

 

そこまでは皆、やると思うのです。

 

で問題はそこから。

 

粗利低下の要因を抽出したら、同じようなケースが発生した際に粗利が低下しないよう、

新しいしくみをつくらなければならないのです。

 

例えば、弊社のクライアント様で仮設工事が実行予算を結構上回るケースが

数現場、発生した住宅会社様がありました。

 

その要因は、土地の前面道路が狭く、工事中は全ての業者さん、職人さんの車を

敷地内に入れなくてはならない。

 

でもその土地、地盤があまり良くないので、鉄板をしかなくてはならない。

 

実効予算では、砕石しか見ていないので、その差額が発生、ということが要因でした。

 

ということで、ここから同じようなケースが起こった時、利益が下がらないように、

 

「申込み後、土地が決定したら、すぐに監督は現場に行き、仮設工事で必要となるものを把握し、

契約までの間に営業に報告する」

 

というしくみをつくったのです。

 

このように分析や検証から、新しいしくみをつくってこそ、仕事と言えます。

 

みなさんの会社では真の意味で分析や検証ができているでしょうか?

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