鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【4578回】 商品よりも、会社そのもの・会社の考え方を売る

2023年07月13日 | 住宅コンサルタントとして

住宅会社が順調に成長していくと、競合するケースが増えていきます。

 

そして、ライバル会社と競合が激しくなる中、

ライバルに勝てるように商品力を磨いたり、

営業力を強化したりしていく中で、

いつの間にか営業マンがお客様に対し、

商品の話ばかりしてしまう、ということが起こったりします。

 

断熱性能、気密性能、耐震性能などの性能面や

標準に含まれる仕様、価格であったり・・・。

 

これは正直、結構まずいことです。

 

商品のことをどれだけ力説しようが、

お客様は商品の細かな差などあまり理解できません。

 

目に見えたり、体感できる状態だとイメージできるのですが、

注文住宅の場合、基本的に図面や写真、動画をベースに

お客様と打合せをしていくので、

お客様が自社の商品特徴を完全に理解することは難しい。

 

もちろん、商品の価値を体感していただくために、

モデルハウスや実際の建物を見ていただくのですが、

それでもお客様は解像度高く理解することは難しいのです。

 

商品の話しかしない営業マンに当たった場合、

お客様はどの会社に頼むかを決断する際、

判断材料が価格、もしくは価格を分母にし、

分子に仕様や性能を持ってきたもの(≒価値)となります。

 

要するに、価格かコスパで住宅会社を選ぶことになります。

 

住宅会社として永続し、建てて下さったお客様に責任を果たすには、

健全経営をおこない、かつ組織の平均年齢を若くすることが求められます。

 

それらを実現するには、適正な利益が必要なのです。

 

ところが、価格そのもの、もしくは価格に対する性能や仕様の良さで

ライバル会社と戦っていると、どうしても価格を下げざるを得なくなり、

適正な利益を得ることが難しくなってきます。

 

ですから、価格、もしくは性能・仕様/価格(≒価値)以外の物差しを

我々はお客様に提供しなくてはなりません。

 

そこでポイントとなってくるのが、

会社の考え方、理念、ビジョンをお客様にお伝えし、

お客様に好印象を持っていただくこと。

 

もっと言えば、会社の考えに共感していただくこと。

 

ここをクロージングの前にしっかりとやっておき、

価格や性能・仕様/価格(≒価値)以外の物差しを

お客様に提供できるのかがポイントとなってくるのです。

 

目先の受注を高めるために、値下げをして売りやすくすることを

弊社はクライアント様におススメしません。

 

そんなことでは経営を永続させることなど不可能だからです。

 

適正な価格で買っていただけるお客様を

どれだけ創出することができるのか?

 

それには、しっかりと会社の理念やビジョンをお伝えし、

価格や価値以外の破断軸を創れるかどうかにかかっているのです。

 

だから商品そのものも大切ですが、

それ以上に会社の理念やビジョンを売ることが大切だと

個人的に思っています。


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