TENZANBOKKA78

アウトドアライフを中心に近況や、時には「天山歩荷」の頃の懐かしい思い出を、写真とともに気ままに綴っています。

冬の奈良紀行4 「奈良公園」

2016年01月14日 | お出かけ
奈良、3日目。
この日、観光の予定はなかったが、急に猿沢池を見たくなった。
伊丹空港行きの高速バスの出発時刻は10時45分。
時間までホテルでゆっくり休養をと思っていたが、朝食もそこそこ8時前に、カメラだけ持って散歩に出かける。(元来ゆっくりできない性分である)

ホテルのあるJR奈良駅から猿沢池を目指して歩いていく途中に鳥居を発見


街中に平気で古墳がある。さすが古の都・奈良と感心する。


湖面に映える五重の塔。これこれ、奈良に来たからにはやはりこの猿沢池を見ないことには帰れない。


興福寺に向かおうとしたら、朝の散歩中の鹿に出会う。これこれ、神鹿と称される鹿に出会わないと…


興福寺 五重の塔

初日の山辺の道で、廃仏毀釈で絶滅した内山永久寺跡に立った。50を越える伽藍が徹底して壊され池が一つ残るのみだった。この興福寺も一つ間違えば同じ運命だったろう。この美しい五重の塔が、明治の初め、25円で売られ「薪」として処分されようとしたのは周知の事実である。同じく薪にされようとして、一カ所に寄せられた仏像の塊の写真にに、阿修羅が平気で横たわっていた。
風雪に耐え、難を逃れて現存する建物や仏像を目の当たりにすると、自然と有り難いという思いがわいてくる。

さらに、東大寺を目指して歩いて行っていたら…


消防の出初め式と思っていたらさにあらず。”POLICE”の文字が。

警察の訓練があっていた。


そして、東大寺


南大門の金剛力士像


さすがにデカい!


下から見た南大門


中門


持国天


中門のすき間から見た大仏殿

大仏殿は8時から開いているのだが、ゆっくり拝観する時間がなかったので入らなかった。

「道」と刻まれた石碑 


南大門から大仏殿を写そうとしていたら、突然鹿くんが顔を出す。
「ボクも写してよ!」



約2時間あまり、ゆっくり奈良の町を散歩してホテルに戻る。
今回はJR奈良駅の近くに宿をとっていたが、今回のように「JRまほろば線」を利用する場合はとても便利だった。空港までの高速バスも始発なので、早めにバス停に行ってもバスは暖房を効かせてすでに停車していた。

帰りの飛行機の中で、思わぬ出会いがあった。出会いといっても一方通行だが、ANAの機内でいつものように「全日空寄席」を聴いていたら、立川談春の「紺屋高尾」が流れていた。はじめは何となく聞いていたが、どんどん話に引き込まれ、最後は一人感動に打ち震えていた。
何というインパクト。家に着いたらすぐにネットで談春について調べた。「最もチケットが取れない落語家」と評してあり、独演会の切符は、発売初日に売り切れると書いてあったが、さもありなんと思った。また、ドラマ「下町ロケット」の殿村役と紹介してあり、「あ~、あの人だったか」と、また驚いてしまった。(単に、私が知らなかっただけである)

奈良はいい。
初めて奈良を訪れたのが10年前の2月で、やはり冬だった。
出張だったので、仕事が済んだ後、奈良の町を一人彷徨った。
どこに何があるのかもよくわからないままに。
特に印象に残っているのは、東大寺二月堂からみた夕暮れの奈良の町だった。モノトーンの風景だったが、侘しくもどこか懐かしく心に共鳴するものを感じた。
それ以来冬の奈良のファンになった。
その後、同じく冬に西の京、佐保路を歩いて訪ねた。今回もそうである。長距離の移動は電車を使うが、それ以外は基本的に歩いている。いたんだ土塀や辻々に祀られた石仏、田んぼの畦道にそこはかとなく旅情を感じるからだ。
歩く旅への憧憬は、私がかってワンゲルだったからだろうか。
もっともっと奈良を歩いてみたいと思っている。









このシリーズ〈完〉

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