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グローバル経済を学ぶ を読んだ。

2008年02月20日 00時22分07秒 | 読書評
グローバル経済を学ぶ (ちくま新書 657)
野口 旭
筑摩書房

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グローバル経済を学ぶを読んだ。
このところ、経済関連の新書を立て続けに読んでいるのだが、その第3弾。
マクロ経済や政府、公共系法人、日銀、新聞市場なので発表される経済指標など
それぞれが意味をもつもの、国、日銀などが実施する財政政策、介入などこれまで
おおよその理解で捉えていたものが、おぼろげではあるが効果、影響などが理解
できてきたように思える。今回はその辺の理解をグローバル経済という視点で
概論的でも良いから理解できればと思い手に取った。

グロバール経済に日本経済がついていけるか?? この保守的な感情の強い日本
という国でどちらかというと否定的な考えで受け入れられていたグローバル化。
私もその一人で、その内容を理解でせずに漠然と比較、優位的な業態が日本に
どれだけあるのか、またそれを国外に視点を置いて国際競争にさらされる日本
経済が対応できるだけの余剰があるのか。昨今は、国民ひとりひとりの貯蓄額
も減り、機関投資という面では弱体化。一方、個人投資という面ではブームで
あり、賃金の上昇の期待できない背景で資産を増やす一つの方法として広がって
いる。

本書を読んでこのような観点の記述が垣間見れればと思ったが、国際貿易の基本
的な概念、限定したモデルでの比較優位性のもと国際競争主義(重商主義)に
陥らないよう各国の国際的な役割分担のもと、その国々で比較優位性に秀でた
生産性や競争力のある産業にシフトするべきであるという論の展開である。
土地集約的産業、技術集約的産業は、その国の持つ特性に合わせて運営する
ことで、それぞれが高付加価値をもち、国々で付加価値をつけた産業で補完
しあい国際貿易を活性化する。その結果、経常取引、資本取引のもとそれぞれの
赤字、黒字が発生する。貿易黒字、赤字についても一般的に貿易赤字、資本収支
の赤字が悪なるもので捉えられてることが誤認であることを記述している。

確かに資本収支が赤字であるということは、海外での産業にとって投資している
ような形になるのであろうが、善、悪については論議が分かれそうな印象である。
自由貿易の結果、経常収支、資本収支の赤字、黒字はその結果の必然的なもので
あるが、一部筆者の論は限定された条件下のもと述べられている面もあり、すんなり
と理解するには、国際貿易の実感を持っていないとなかなかイメージがしずらい。

国際金融についてもイギリス、アジア、ロシアなどの通貨危機を例にとりながら
現在の変動性為替相場のメリット、デメリットが記述されている。こちらは
どちらかというと金融、マクロ経済関連の新書にも記述されている内容なので
あまり目新しさはない。概論を整理するには良いといった内容である。

個人的には、これまで国際貿易についての基礎知識というものが、全く無かった
に等しいので、その概要がつかめただけでも良い本ではないかと思う。詳細な
各論については、別の書籍が必要であるが基本的な部分の整理には良い書籍だと
思う。

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