神様からひと言 (光文社文庫) | |
荻原 浩 | |
光文社 |
荻原 浩氏 3作目でしたが、途中ふっと笑える場面も多く、読んだ他作品
とは少し趣が違っていてびっくりした。
最後の解説を読んでわかったが荻原氏もとはユーモア小説家と呼ばれて
いた時期もあるらしい。
この小説は、主人公の涼平が転職して、同棲していたリンコが家を出て
失意の反動から、転職先でのどたばた劇をユーモアを交えて書かれている。
食料品メーカーへの転職後、最初の重役会議で検討した涼平の選択した
新製品(ラーメン)を食べ商品を覚え理解し、他案件の誘惑もあった。
初回の重役会議で失敗し、お客様相談室というリストラ部門へ即時異動と
なった。
日々、自社製品に関するクレームの問い合わせがある状況で、篠崎という
ベテランのちゃらんぽらんさとクレーム客に対する対処をわきまえた
あやまり職人的な動きが乖離があって面白い。
キャラクターとして、日頃のだらしなさに対しやることはやるという
きりっとしたところが気持ちよかった。
三代目の副社長に牛耳られる社内の役員や役職者たち。
そのおばかさの加減はフィクションならではで、世離れした設定に
なっており、この辺は登場自分のいけてさなで主人公を見栄え良く
見せているなという印象でした。
結末は、主人公の会議室での暴露劇。
これが、大株主と初代社長の最終章の取締役姿を見て奉行システムと
連動することが出来ているので、ないても笑って洗えるように。