孤高のメス 外科医当麻鉄彦 第1巻 (幻冬舎文庫) | |
大鐘稔彦 | |
幻冬舎 |
この作品は、最初映画で見ました。堤 真一が実直な敏腕外科医を演じて
とても面白く、ただ目の前の患者の命を救う姿が共感が持て、気持ちの芯
を貫くインパクトがあって何度か鑑賞した。
映画用に書き下ろされていた脚本だとばかり思い込んでいたので、小説が
あるとは、露知らず、アマゾンの文庫の検索すらしなかった。
先日、活字が久しぶりに恋しくなり文庫本を探していると
このタイトルにたどり着いた。シリーズとしては、10作を超える大作。
思わず、嬉しくなりました。
早速、アマゾンで探し当て、本を手に入れました。
久しぶりに読む本は、ストーリーに最初からどっぷりと
入れるので、興奮が覚めない。
医療物語は、写実的なものが好きで、テレビは、救命病棟24
が自分の趣向にあっていてよく見てました。
今回の孤高のメス、第一巻を読み終えた。
凄腕の外科医、当麻 鉄彦。
医療技術探求に意欲を燃やし、卓越した技術と経験と判断力を
持ちながら、自らの使命は、地方の末端の医療改革に軸を置く。
大学病院内での出世にまつわる野心的なものに、興味はなく
自分の使命をブレることなく着実にこなして行く。派手さのない
現実的な姿に気持ちが共鳴する。そのような本です。
地方病院で、出来ないと考えられている肝切除。
宗教上の問題で、輸血出来ない緊張感ある肝臓の手術。
難しい患者は、大学病院へ送り、ちゃんとしない対処。
それをよしとする大学病院から派遣された、やる気のない
高飛車な医者。技量が低く、プライドばかりが高い。
医療事故に繋がるような行為。
そういうものと一千を期して、ただただ実直に治療に
勤しむその姿が、心を打ちます。
次の巻が楽しみです。