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BT’63(下) 読みました。 主人公の自分探しの旅が終わりほっとする。

2011年11月18日 17時01分56秒 | 読書評

BT’63(下) (講談社文庫)
池井戸 潤
講談社

BT63 下巻 読みました。

主人公の自分探しの旅。

父の若い日の頃に主人公の意識だけがタイムスリップする。
だんだんと明らかになる主人公の父の熱い日々。

父としては、まじめで守りに入っているように見えた息子。
なぜ、過去に意識だけがタイムスリップするのか
呪われたトラックBT63が呼んでいるのか
それとも父が、息子へ解ってほしくて、そうさせたのか

この辺は父の若い日々の全貌が明確になるので、息子の解釈
としては、はっきりするのだけれど、いまひとつ読み終わった後
釈然としない。

BT63に搭乗していた運転手たちが、事件に巻き込まれて
次々と消えて行く。運送を依頼するヤクザと白装束の素性が
これもはっきりしない。その分、不気味さが増すが、なんとなく
釈然としない。

現代の息子の苦汁の日々から抜け出すため、父の若い日々に起
た事件、会社の倒産、愛する人との別れなどの苦難であり、熱き時を
主人公が疑似体験をし復活へ向けて歩きだす。

小説としては、登場人物の個々のストーリーが併走しているが
主人公との関連が明確なのでおもしろい。

誰しも過去の事を回顧すことがあると思うが、そういう人間
の理性というか、傾向的なものを突いた小説だと思う。

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