◆真夏は、いきなりやってくる
先週木曜から真夏になった。ああ、それまでは真夏じゃなくて単なる夏だったんだな、と。高村光太郎は「きっぱりと冬が来た」と表現したが、真夏も結構きっぱりと、否応無しに、断固として、ひとおもいにやってきた。まさに「あつがなついぜ」(←出典『ピンポン』松本大洋)である。高温と湿気と日差しがセットでやってきて、蝉時雨がそれにかぶさる。凶暴な日差しには、銀色の日傘で抵抗する。もはや日焼けなど気にはしない。暑さに耐えるために日傘を使い、日に当たって疲れるから腕に日焼け止めを塗るのである。できるかぎり家にこもってじっとしていたいが、そうもいかない。
◆無花果のジャム
スーパーに行けば無花果が出ている。無花果って、フルーツなの♪という華やかさに欠けている。ぼやーっとしたお味で、何か独特の土臭さみたいなものがあり、甘い新品種が出ているが、形状的にも地味な果実であることは否定できない。
だけどね、おいしいから買う。
そのまま食べるのもいいけど、ちょっとさわると大化けするから。
皮をむいて、アイスクリームとか練乳とか、ミルク系と合わせると、超おいしいデザートになる。
それから、ジャム。水を加えず砂糖と火にかけ、レモンかライムで酸味をちょいと加えると、元の果物が何であるかちょっとわからない、赤い謎のジャムができる。いちごやりんごと違い、無花果の果実はすぐ煮えるので、あっというまにできるから、夏に作るのに向いている。それが、確かに無花果の味がするのだが、それがまあ激ウマなのである。ペクチンが多いので、砂糖をたくさん入れなくてもジャムらしく仕上がる。そのままパンやアイスクリームに塗ったりかけたりしてもおいしいけど、トーストにバナナスライスをのせて、その上からちょいちょいと無花果ジャムをのせてみたら、これはびっくり。ほかの生フルーツと合わせてみたいとも思うけど、とりあえず、バナナとすごく合う。ぜひお試しを。
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