峰猫屋敷

覚え書と自己満足の場所

父の夢  

2006年11月18日 13時32分41秒 | 思い出話
さて、父の話ですが、今考えると良いところしか思い出せないし、
何を思い出しても良い方に考えてしまいますが、生きているときは反発ばかりしていました。
亡くなった時も、私は既に結婚して家を出ていたから元々毎日会っていたわけではなし、
永遠のお別れという実感がなかったので泣けませんでした。

そして泣かないままに時間が過ぎ、何度か父が夢に出てきました。
父と廊下ですれ違い、「あれ、お父さん。死んだはずなのに元気そうじゃん」 というと、
父は、「元気じゃない!」 と怒り出したりして。

亡くなってから3ヵ月ほどしたある日、布団に横になっている父としばらく話をしたあと、
部屋から出たときに 「あっ」 と気がつきました。
「お父さんは死んだんだから、これは夢なんだ」

夢と気付いた私は、父のところに戻り、手を握って言いました。
「お父さん、ありがとう。 お父さんのお蔭で私、幸せだよ」
父はとても嬉しそうな顔をしました。

目が覚めた私は、初めて号泣しました。


それまで頻繁に夢に出てきた父は、それ以来ほとんど出てきません。
不思議なものです。
私自身の中でひとつの区切りがついたのかもしれません。


トップ画像は実家の庭にあったお地蔵様です。
他にも石灯籠や五重塔、富士山型の石などがありましたが、母の新居へはこのお地蔵様だけを持っていくことが出来ました。


井戸枠の石


五重塔


石灯籠


漬物には不向きな石