峰猫屋敷

覚え書と自己満足の場所

2006年 故郷からのおくりもの ~ 入間市博物館

2006年11月30日 15時29分19秒 | ○○展の話
先ほどひとつ記事アップしたけど、今見てきた人形展で気付いたことがあったのでもうひとつ。

何度か記事にしてきた、『高橋まゆみ創作人形展 ~故郷からのおくりもの』 ですが、
今日、4回目見てきました。

なんとも不思議なんです。
やっぱり波動を持ってるですよ。 人形が。

で、今日、気付いたことがありました。 主観的だから単なる思い込みかもしれないけど、
前に立ってジンジン来る人形と、よく出来てはいるけど、それほどでもない人形があります。

もしかしたら、高橋さんの技術的上手さだけじゃなくて、見る人の思い入れが 人形に蓄積されているんじゃないか…。
そんな気がしました。
ジンジン来る人形は、身近な人々を思い出させる人形ばかりでした。

失礼ながら、まだお若い高橋まゆみさんに、あれだけのパワーを持つ人形が作れることにも驚いていました。
でも、見る人の人生の、多種多様な重さが 幾重もの層になって人形に貯まっているとしたら。
納得できるものがあります。

ですから高橋さんのすごいところは、見る人の思い出や情念を引き出し、それを堆積させられる人形を作れるところにあるのではないか。
そして、人形展という形で多くの人の目に直に触れれば触れるほど、人形の不思議なパワーが増大するのではないか。
そんな気がしました。


入間市博物館は、辺鄙な場所にあります。
平日の昼間など、見学者はほとんどいないのではないかと思われるところです。(関係者の方が見ていたらごめんなさい)
しかし、『故郷からのおくりもの』 をやっている間の見学者の多いこと!
本当にびっくりです。
しかも、会場内からは時折、すすり泣きが聞こえます。

で、今日は見学者も うぉっちんぐ♪

ほとんどが熟年世代の女性同士ですが、御夫婦の方や、ひとりで見に来ている女性もいました。(私もひとり)
その中で、女性同士の会話を聞きかじってきました。

「これ、あの坂の上に住んでたおばあちゃんを思い出すわ~」
「この顔見てると、自然に笑顔になっちゃうわね」
「この人形は、私の母よ。 そっくりなの」
「ほら、お腹が出てる。お年寄りって、痩せているようで案外お腹が出てしっかりしてるのよね」

そして入ってきて すぐのグループから聞こえてきた会話。
「この人(作者)、まだ生きてるの?」
「生きてるわよ。 この前、徹子の部屋に出てたもの」

わ~。伝説の人になりつつある…。




いろんなことを感じつつ、感想ノートにお粗末な歌を残してきました。

見た人の 想い積もれり人形の 胸に迫りて 涙あふるる  (峰猫)





昔々、妹のために作った絵本 その3

2006年11月30日 11時05分43秒 | 自作品


たぶん、これが一番最初に作った絵本です。
すなわち、「元・現役女子高生の作った絵本♪」 でぇ~す。  けっ。



◆ 朝士郎くん と ねこのボッチくん ◆



天気のよいある日、あさしろうくんは つまらないので、おうちで ほんを よんでいました。
そばには あさしろうくんと なかよしの ねこの ぼっち もいます。
ぼっちくんは つまらないので おおきなあくび。




しばらくたって ぼっちくんはいいました。
「ねえ、あさしろうくん。 きょうはこんなに いいてんきだよ。 おそとへ いこうよ。 ぼく、おもしろいこと できるんだよ」
あさしろうくんも おそとへ いくのは さんせいでした。
でも ぼっちくんは なにができるのか、あさしろうくんには わかりません。




そこで ふたりは そとへでました。
「ねえ、ぼっちくん。 きみ、なにをするの?」
「へへへ。 まあ、みていろよ。 あさしろうくん」
そういうと ぼっちくんは、おふろやさんの えんとつに のぼりはじめました。




「ぼっちくーん、へいきかい」
「まぁ みてろって。 それ」
ぼっちくんは てっぺんまで のぼったとおもったら、とびおりました。
さあ たいへん。




「きゃあっ、ぼっちくん、くるった!」
といって、あさしろうくんは めを とじました。
しばらくして めをあけてみますと、ぼっちくんは ゆうゆうと とんでました。
「おーい、あさしろうくーーん。 すごいだろう。 これ、ムササビとびって いうんだよぅ」
おそらは まっさおです。




「ぼっちくーーん、ぼくをのせてくれる?」
「えんとつに のぼれるかい?」
「のぼれるとも」
「じゃ、えんとつから とびのって」
あさしろうくんは、えんとつに のぼりはじめました。
おとわちゃんは、こんなことしちゃ だめですよ。
そして ぼっちくんに とびのりました。




ふたりは ゆうやけに そまるまで、とびまわってました。
ほーら、ゆうひの おばさんも にこにこ わらってます。






ちなみに、妹は男だったら 「朝士郎」 という名前になるところでした。