◆ 音羽ちゃんとデージーちゃん ◆
(音羽の落書き付き)
(くどいようだけど、原文のまま)
ある日、音羽ちゃんが ねんねしていたら、庭の方でバサバサって音がしました。
音羽ちゃんが何かなって思って、おかあさんをおこさないように見に行ってみると、庭にいたのは音羽ちゃんくらいの女の子でした。
音羽ちゃんは、鬼でも泥棒でも鹿でもないのを知って、安心して庭に出ていきました。
「あなたはだあれ?」 音羽ちゃんは聞きました。
その女の子は、ぱっと音羽ちゃんの方を見て笑いました。
でも、何も言いません。
「何のご用かしら。 わたしにご用? みんな寝てるの」
女の子は、こっくりしました。
「遊びたいの? わたしと」
音羽ちゃんは、その女の子にいろいろ聞きます。 でも女の子はうなづくだけでした。
音羽ちゃんは、おかあさんに知らせた方がいいと思って、うちに入ろうとしました。
すると女の子は ものすごく悲しそうな顔をしたので、音羽ちゃんはうちに入るのをやめました。
「じゃあどうしたらいいの? 遊ぶの?」
女の子は またにっこり笑って こっくりしました。
「何して遊ぶ? あなたの名前はなんていうの?」
女の子はまだ黙っています。 それから女の子は少し考えて、畑の横に咲いている音羽ちゃんのデージーを指しました。
「あっ、デージーちゃんていうの? わたし音羽」
音羽ちゃんが、さて何をして遊ぼうかと思ってたら、デージーちゃんは ぱっと背中に隠してた羽をひろげて、自分の背中を指さし、おんぶするようなかっこうをしました。
そこで音羽ちゃんは何となくデージーちゃんの背中にのりました。
するとデージーちゃんはバサッバサッてはばたきだし、お空に浮かびました。
音羽ちゃんはうれしいやら、少しこわいやらでワォワォ遠吠えしました。
音羽ちゃんは、デージーちゃんの背中で夢を見ているような気持ちでした。
でも、つねったほっぺは いたかったので、本当だってわかりました。
「デージーちゃん、もうずいぶん飛んだわね。 ここはどこ?」
デージーちゃんは、相変わらず何もいいません。
でも下を見ると、クジラがいるので海だってことがわかりました。
あっ、たいへん。 明るくなってきています。
早く帰らないと、おかあさんが心配します。
「デージーちゃん、かえりましょう」
そういうと、デージーちゃんは またこっくりして、まわれ右をして帰り始めました。
おうちの庭につくと、おかあさんが心配そうな顔でうちからでてきました。
「音羽ー、音羽、どこーっ?」
「あ、おかあさん、ただいまー。 わたし、デージーちゃんの背中でクジラ見てきたの。この子がデージーちゃんよ」
おかあさんは、変な顔をしました。
「おともだちって、どこにいるの? 音羽ちゃん一人しかいないじゃない」
「えっ、うそだ。 だってここに…」
音羽ちゃんがうしろをふり返ってみると もうだれもいませんでした。
ただ、きれいなデージーが一本、満足そうに咲いていました。
「へんね。 こんなとこにデージーあったかしら」
音羽ちゃんにはもう、そんなおかあさんの声は耳に入りませんでした。
おわり
【言い訳】 たぶんこれ、高校生くらいのときに作ったものです。
面白くないのは、真面目な高校生だったからです。
(音羽の落書き付き)
(くどいようだけど、原文のまま)
ある日、音羽ちゃんが ねんねしていたら、庭の方でバサバサって音がしました。
音羽ちゃんが何かなって思って、おかあさんをおこさないように見に行ってみると、庭にいたのは音羽ちゃんくらいの女の子でした。
音羽ちゃんは、鬼でも泥棒でも鹿でもないのを知って、安心して庭に出ていきました。
「あなたはだあれ?」 音羽ちゃんは聞きました。
その女の子は、ぱっと音羽ちゃんの方を見て笑いました。
でも、何も言いません。
「何のご用かしら。 わたしにご用? みんな寝てるの」
女の子は、こっくりしました。
「遊びたいの? わたしと」
音羽ちゃんは、その女の子にいろいろ聞きます。 でも女の子はうなづくだけでした。
音羽ちゃんは、おかあさんに知らせた方がいいと思って、うちに入ろうとしました。
すると女の子は ものすごく悲しそうな顔をしたので、音羽ちゃんはうちに入るのをやめました。
「じゃあどうしたらいいの? 遊ぶの?」
女の子は またにっこり笑って こっくりしました。
「何して遊ぶ? あなたの名前はなんていうの?」
女の子はまだ黙っています。 それから女の子は少し考えて、畑の横に咲いている音羽ちゃんのデージーを指しました。
「あっ、デージーちゃんていうの? わたし音羽」
音羽ちゃんが、さて何をして遊ぼうかと思ってたら、デージーちゃんは ぱっと背中に隠してた羽をひろげて、自分の背中を指さし、おんぶするようなかっこうをしました。
そこで音羽ちゃんは何となくデージーちゃんの背中にのりました。
するとデージーちゃんはバサッバサッてはばたきだし、お空に浮かびました。
音羽ちゃんはうれしいやら、少しこわいやらでワォワォ遠吠えしました。
音羽ちゃんは、デージーちゃんの背中で夢を見ているような気持ちでした。
でも、つねったほっぺは いたかったので、本当だってわかりました。
「デージーちゃん、もうずいぶん飛んだわね。 ここはどこ?」
デージーちゃんは、相変わらず何もいいません。
でも下を見ると、クジラがいるので海だってことがわかりました。
あっ、たいへん。 明るくなってきています。
早く帰らないと、おかあさんが心配します。
「デージーちゃん、かえりましょう」
そういうと、デージーちゃんは またこっくりして、まわれ右をして帰り始めました。
おうちの庭につくと、おかあさんが心配そうな顔でうちからでてきました。
「音羽ー、音羽、どこーっ?」
「あ、おかあさん、ただいまー。 わたし、デージーちゃんの背中でクジラ見てきたの。この子がデージーちゃんよ」
おかあさんは、変な顔をしました。
「おともだちって、どこにいるの? 音羽ちゃん一人しかいないじゃない」
「えっ、うそだ。 だってここに…」
音羽ちゃんがうしろをふり返ってみると もうだれもいませんでした。
ただ、きれいなデージーが一本、満足そうに咲いていました。
「へんね。 こんなとこにデージーあったかしら」
音羽ちゃんにはもう、そんなおかあさんの声は耳に入りませんでした。
おわり
【言い訳】 たぶんこれ、高校生くらいのときに作ったものです。
面白くないのは、真面目な高校生だったからです。