岩美町岩井に鎮座される「御湯(みゆ)神社」。御祭神は『大己貴命・八上姫命・御井神(みいのかみ)・猿田彦命。』
「創建は弘仁2年(811)、岩井温泉を発見した『藤原冬久』が温泉の守護神として勧請したのが始まりと伝える。当初は大野台地に鎮座していたが、大野地区の集落が衰退し祭祀に支障が生じてきた為、宝暦2年(1752)、同地区の「伊勢宮(猿田彦命)」と合祀し現在地に遷座。江戸時代中期以降は「伊勢宮」と称したが、明治時代に旧社号「御湯神社」に復した。湯の町岩井の守護神である「御井神社」の「みい」が転訛り「みゆ」となり御湯の文字をあてて「御湯神社」と称するようになったものと思われる。」境内案内より
参道正面に入母屋、銅板葺、妻入向拝付の拝殿。外壁は素木板張りで、美しく秀麗な姿。
拝殿に続く本殿は一間社流造。銅板葺で外壁は拝殿と同じく素木板張り。
拝殿右手の境内には本殿と同様の流造、銅板葺の稲荷社が鎮座し、神狐が控えています。
境内の一画に残されている『平 教経(のりつね)』の「矢研石」。平清盛の甥で「王城一の強弓精兵」と呼ばれた武将。平家物語では「源義経」の好敵手的存在として描かれています。
かってこの境内地には郡内一と称されるほど多くの巨木・古木が生い茂っていたと言います。しかし、昭和50年ごろに「松くい虫」の被害にあい、樹齢数百年の古木も切り倒されてしまいました。
境内地の「松魂慰霊碑」は、そうした古木の魂を慰める為に建立されたのでしょう。
慰霊碑の近くに置かれていた出雲構えの狛犬さん。ここで松の魂を守護されていたのでしょうか?吽形さんは、頭部と僅かに体の一部を残しただけ。緑の苔に身をゆだね始めた阿形さんは、精悍な良いお顔でしっかりと台座を踏みしておられます。
参拝日:2016年10月20日
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御神名一口メモ
『御井神(みいのかみ)』、井泉・井戸の神。別名「木俣神(きまたのかみ)」。大国主神と八上比売との間に生まれた子。
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